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イイこともイケナイことも少年のシーツの
裡
(
うち
)
にはちきれている
7
ドライブもたまにはいいけどインドアでユーチューブ観て親と話そう
2
泣き叫ぶ声は聞こえない あいつらに目にもの見せる秋の始まり
1
心臓が鋼でできていますので振られたくらいじゃ嫌いになれない
6
好きだったきらきらたちを捨ててゆく大人になんてなりたくなかった
3
君はまたうさぎりんごのやさしさで世界を救おうとしている
4
風のころ色づきそむる街のうた秋はひらきて空に浮遊す
2
手のひらに赤や黄色のおしゃべりのかたちをひろふ小径の時間
4
飴色の襟巻きをして狐たちうつろふ森の北へと消ゆる
3
ちびっこといけないことが出来るなら東京湾を漂流したい
5
言はば識り逢ふみて問はぬ失楽を問うて死ぬるは無味のシラブル
1
単線の終点に立つ秋の暮れ来世は鹿に生まれかはらむ
1
さよならを上手く言えずに手を振った僕を今度は叱って欲しい
1
世の中はつめたくつらいコーヒーは極力あまいものが飲みたい
4
裏切らないマックスコーヒーいつまでも僕の味蕾にあまさをくれる
1
眠れない夜はマックスコーヒーの甘さに適度に溺れていたい
3
人間が視力検査の輪っかなら欠けていても許されるのにな
5
秘かなる時間のひそむ花びらに迷ひこみたる蜘蛛の子ねむる
5
僕たちは そうしなければ 生きられず あとでいい子に なればいいのよ
0
誰彼が 死んだと噂の ツイートが 曖昧な死と 日曜の朝
2
ツイキャスを聴きつつお部屋お片づけ掃除洗濯すげーはかどる
1
逬
(
ほとばし
)
る赤のたゆたふ風のなか亡きひと語る曼珠沙華かな
3
なほ熱き血潮のいろに立ち尽くし哀しき赤となる曼珠沙華
2
想ひ出をゆさぶりながら語る野に秋草はただそよろと揺るる
4
一針に心を込めて縫う刺繍誰かのためということもなく
6
たくさんの雨垂れを吸い洗い方知らないままの鞄を抱いて
14
全身に死神が染みついている生活がただうなだれている
5
不無非未
(
ふむひみ
)
を強いる奴には中指を呉れてやりなと隠者は笑う
2
戯れうたも百繰り経てはかたち得て調べの隙に悪魔潜むる
2
嗚呼僕は歌わないではいられない 向こうへ行ける そんな気がする
6
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