スタッフロールの寂しさの、のち、春の雪
1
ふと思ふ会わぬ時ほど心には貴方がゐたり今日も晴れ空
1
やりとりが途切れぬようにしたいから少し焦らして返信す、愛
1
情報は、しかし溢れた方がいい われらを未来へ押し流すほど
2
なにもかも忘れていいよかぐわしき甘き香りの梔子くちなしがいう
2
星屑が人の屑にも降り注ぐ七夕の夜皆に幸あれ
3
汗ばんだジョッキを拭う指先に再会できた2年目の夏
1
初恋が締めつける胸の痛みには程遠く 気圧に弱い頭
2
むかしむかしから始まって結ばれぬ恋の確かなめでたしめでたし
3
野心あり 敵は社長と いう名前 外堀を埋め 中央突破
0
生活に メリハリつける 余裕あり 熟練者かな 齢を重ね
0
失明の 恐怖のため 笑えない 眼科検診 運命の日々
0
存在を 確かめるため 勇み立ち 神の御心 成し遂げし今日 
0
ぼくの中 渦巻くうたや 言葉らが この血とともに 消えますように
2
1440分の浪費でも君といたいと思う夕暮れ
4
高温と長雨で庭のヒメジオン2乗2乗に増える梅雨かな
5
早上がりなのかな子らは晴れ間見て二人鞦韆漕ぐ夕泥み
4
一瞬の雨の間に風運び来る祭囃子か高き笛の音
3
寝過ごしてふと目の覚めて外は暮れ放課後一人小さな旅かな
5
梅仕事重石を重ね一休み梅雨前線の真下の私
6
ミラノ風ドリアの匂いのその中を 飛び交う天使ここはサイゼリヤ天国
1
無理やりに 抜いてしまうと 大量の血が吹き出すので そのまんまです
1
「少しだけ 立ち止まってもいい」 と言う ちがうよ歩く、少しゆっくり
2
心身を 活気つければ 一日も 別の一日 ラブストーリー
0
梅雨空の 下に花咲く こと多し 美しきこと 人は知らずや
0
老齢は 現実の上 激しくて 心と体 弱らせるもの
0
神の手に 見守られつつ 心身を 弱らされるとは 如何なることか
0
偽りを 学びて生きる 人生を 人は決して 喜ばぬよう
0
実際と 心の叫び ちと違う おどろおどろの 見た目飾りて
0
夕まぐれこのまま一緒に終わってと自分の命を預けています
0