Utakata
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或私
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今思えば魔法だった あんなにも綺麗に巻かれた卵焼きは
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鼻先に 触れてとけてく一粒の雪は 肌身が感じる奇跡
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不合理の最たるものをOSに 人間に森は動作をする
4
心の書き順忘れているくせに 知らない言葉を増やそうとする
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水平線 直線を嫌うこの
地球
(
ほし
)
が 唯一許した僕らの線分
10
氷点に 日陰で雪が生えている 直に枯れ木が雪を実らし
5
世の中の 悲しみすべて 湛えてる 土砂降りの中 人を待つ犬
8
輪郭を 忘れた月が
傾
(
かし
)
げてる しっとりとただ濡れている土
8
「あんたの噛んだ爪がほら浮いてるよ」 母と私と 細い三日月
4
そうね生まれ変わったなら一度だけ 月を運ぶ仕事をしたいね
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そう、おどけているのです わらってふざけて 死を忘れ去りたいだけなのです
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タバコ嫌いのあなたさえ 真冬では 口から楽しげに
煙
(
けむ
)
がでる
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実際いくらか吸い込んでいるのではないだろうか夜空は 魂
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大なり小なり 何度も喧嘩しても 干す靴下はとなり同士
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愛おしく 夜毎包み込むその腕も 人を殺せる筋力がある
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そのひとが 居ても居なくても辛いのは 自分にとてもよく似てるから
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心身 動いた分だけ水が出る 冬には水抜きを留意する
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3弦の切れた和音にも 似たような響きがある 僕たちの会話
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徒然に 抜いた白髪を束ねては 化学繊維に見立てて遊ぶ
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白米を 大盛りの順でよそいでいく おかんはいつも一番最後
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それでも こんな地獄のオマージュを 生きていける あなたの匂いで
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その爪が 僕に食い込んだその跡は 昼間見た飛行機雲に似てる
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夏の死に枯れた姿を冬と呼び
外套
(
コート
)
も必然 黒色を選ぶ
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日本人然としたあの横顔で 小言を言う時 母を感じる
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数年も同じ上着を着回すから 去年の僕に今年も出会う
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明け方に 空から死にかけた妖精の様に雪が 地面に溶けて
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彩度が落ちた街には 未だ色付いたイチョウ 明日は初雪予報
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なるほど山は紫で水も程よく澄んでいる 鴨川デルタ
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「いらっしゃいませ」以外の敬語がない 喫茶で文庫本を読み終える
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山麓の 賑わう古風な町をゆく 車夫の顔など 乗り手は知らず
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