Utakata
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或私
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青鷺を しゃがんでフィルムに焼き付ける あなたをわたしは 目に焼き付ける
3
雨風に 観光客の喧騒に ずっと耐えてた紅葉が散った
5
立式する あなたにまつわるなにもかも 全部まとめて
X
とする
6
へその緒が切れた時から他人だろう だから自由はとても寂しい
7
色付いた時だけ思い出したように名を呼ぶ
紅葉
(
もみじ
)
もう散ってしまう
10
形のないものばかりあげている気がする 時間や記憶や私の苗字
8
凍えたまま「ありがとう」なんて口にする 変に
吃
(
ども
)
って頬だけ熱い
7
冬の匂いの正体を知らないままで また年の暮れを遠くに見据える
5
秋 向こうから早足で歩いてく 通り過ぎた後の匂いは 冬
5
あぁもうこういう日に限って どうしようもなく馬鹿みたいに青い空
9
シチューを煮込みましょう 愛を込めたぶんだけ じゃがいもは柔らかくなって
4
ひとつまみの塩で変わった味付けに 気付けるくらい安らいでいる
11
おやすみを伝えないまま潜り込む 布団の中は暑くて暗い
7
仮装しているつもりではないのだが 皮膚を被って演技はしている
8
終電後の世界では ほんのわずかだけど嘘の濃度が低い
6
私が流れていく 一日分の私が洗面台で流れていく
7
あなたのそばで眠るため あなたの前で眠るため 恋に会う
5
海でぐらい叫んで踊っていいじゃないか こんなにこんなに広い
7
ハート
模
(
かたど
)
れば映え 押されれば「いいね」 潰されれば死に 穿たれれば恋
6
そんなに いっぱい いっぱいかかえこんで しんだら誰が片付けるのさ
8
父が煙草をやめた 細く長く生きるらしい そんなまるで線香じゃないか
7
風邪をひくぞう秋雨に濡れているいのち ほらぶるぶると震えて
7
死にたいと宣う君 茶碗の底の 落ちにくくなった汚れは何か
4
有効期限ギリギリの おはよう に 土曜日の空気含ませて「ん」
4
いらないものだけ水に流して 排泄といっしょだ思い出なんか
5
朝と夜の汽水域にやわらかい哲学 音楽を流そうか
3
猫の背に見えなくもない山峰に 猫に倣って あくびをひとつ
11
お前の口が銃口になる前に 言葉が弾丸になる前に
10
醤油さし取る手を止めることもなく 焼かれた魚 戦火の報せ
4
戯れに余白で遊ばせた線のように 電線はよく曇天に映える
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