これをだに花と見てこそ慰まめ近づく春を待つの白雪
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慣れっこになってたはずの負け試合泣いたあの日に僕は変わった
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校門で青い真冬の空の下 僕は貴方に「おはよう」と言う
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東大を受験しますと友からの賀状が届き 母の静けさ
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物憂さに愛の小唄に耳浸てて飽くまのさびしき空蝉かもよ
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ふりふりの服着せられたパグ犬をニヶ月前から見ない三叉路
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締めていたキャップ外せば「しにてぇ」と炭酸はじける甘い香りで
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「すみません 今日休みます」言わないでいいことだけが 今のいいとこ
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モノクロに雪覆う町ただ歩き 白い吐息と孤独滲んで
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安定の女子アナトーク心地よく聴かせる力熟練の技
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A 必死で解法探し書く 紙は真っ黒 あたま真っ白
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不変などないのは当たり前なのに変わってくのが後ろめたくて
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「線形の定義言ってみ」 教え方煽り度高め 解けたけれども
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Spotify曲が終わると巻き戻す ハマった曲はヘビロテする派
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奥の卓 飲みまくる君 私には「酒きらい」って言ってたくせに
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宇宙ってこわすぎないか 黒黒黒黒黒黒終わりはどこに
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「寒すぎる」「手繋ぎたいの?」 純粋に寒かっただけ なんかごめんね…
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神経の震えのくせにこの体から出せなどと言うのだ意識は
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見開いた目からこぼれる大粒の はらはらと散る恋の花びら
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A∩Bエイカツビイ 仲間だった君の移住先はCでもDでもない
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電話番号を消す 箱アイスの最後の一つを残す人だった
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常世よりまれひとの来らむ ほとほとと 音づれのすらむ 君がの戸にも
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汝をだに物思わし十三夜のかたつきの影にならましものを
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ツイッター早く流してくださいね醤油一滴の感情だけど
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滔々と流されていくTwitterに他愛もなくあぶくを吐いて、息。
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いかにせむ やぶれたる夢忘らむと思へどさびし 濡れ枕かな
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いつだって死んでもいいと思いつつ死神のこと禍々しく描く
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自己肯定 たとえば三食食べるとか社会保険に入ってるとか
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夕闇が背中を叩く 振り向けば空白の今日 職も決まらず
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人体は 星々の記憶知っている 瞳の奥が夜空のむこう
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