もういっそ君の心を縛りたい ランプの魔神もできないってさ
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世界一の顔だよねと言いたい 君は気づかない気づかないふり?
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寄りて見る痛々しさは、鬼罌粟の絳絳あかあかしきにセメントの降る
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鳥の巣が邪魔だと言われ破壊した 中はずいぶん温かかった
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泳げないきみは湯船に顔つけてちいさな海を両腕に抱く
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君の手の温度を知った午後三時 桜前線は止まらない
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斜め前の席に君がいない日の いつも通りの風が憎いよ
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クレジットカードの引き落とされる日は誰もが知ってる僕の誕生日
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30歳2で割れば15で3で割れば10の年齢
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人波にもまれればふと思いだす今ではとおいとおい潮の音
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中華屋のギョウザ一皿平らげるようにアタシを食べてった人
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赤信号渡るみたいな悪いこと 他の誰かと キスをすること
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やさしい手でそっと撫でられたまま 消息不明の未読一件
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サイダーの瓶越しに見るスカイツリー 満月をそっとビー玉にして
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空想の世界は毎秒崩壊し誓いのキスで億度目の朝
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壊れゆく全てを思う無花果のパフェを頬張る君を見ながら
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木曜の街でばったり奴と会うポーズ画面のボタンを探す
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「人間に向いてないから猫がいい」見え隠れするヒトの傲慢
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少しばかり地軸が傾いてるせいでこの時期にだけ咲く花の群
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聞いただけ君の名前を聞いただけ痺れはじめるぼくの魂
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願いごと間に合わないよ 流れ星 お願いだからゆっくり流れて
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約束ね 約束守れなくても怒らないって約束してよ こんなボクだから
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仕方なく ゆっくり上を 目指して行く 服や靴や手を 汚しながら
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不愉快にも ぬかるみに残る 足跡は すぐに誰かに 踏み均らされる
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たんぽぽの綿毛がひとつ飛んでると「ほんとに飛ぶんだ」って思う
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ああもっと聞いておいたら良かったな眠い授業も貴方の声も
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さよならと手を振るように運ばれるアゲハが空に揺らしてる翅
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窓辺には名前のしらない花がありあなたの好きな花と名付ける
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先斗町ひしめく瓦の軒下に 子供 カップル ファミリー シニア
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酔えるならそれでいいじゃん安い酒 悪い男もきっとおんなじ
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