仕上がった喪中はがきに藤の花 薄紫の涙にも似て
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「寒い」とはこんなだったと思い出す余りに長く暑さ続きて
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もう少し 恥じらい捨てて 君の言う 「理想の人」に なれば良かった
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あちこちの靴流通センターへ流れ流れて踊れる赤は
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突然の 閃き来りて 手を叩く これ幸いと 作品仕上げ
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夏の死に枯れた姿を冬と呼び 外套コートも必然 黒色を選ぶ
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日本人然としたあの横顔で 小言を言う時 母を感じる
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数年も同じ上着を着回すから 去年の僕に今年も出会う
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明け方に 空から死にかけた妖精の様に雪が 地面に溶けて
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朝晩が寒くて昼間が暑いのは 月と太陽がデートしてるから
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合コンや相席居酒屋なんかより僕と一緒に湖を見よう
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夜にだけあなたが吐く毒、星のよう だから私は昼夜逆転  
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関西で生まれたあなたは関西弁 東京ことばに染まらないでね
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交差する駅のコンビニ レジの列 あなたの夜と、私の朝日
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紅葉ですみたいな顔で落ちているペットボトルの赤キャップたち
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せっかくの繋いだ手と手さよならと 振る手に浮かぶ恋の残像  
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晩秋に ロマンス歌う 姫が往き 世代の変わり 進むと感ず
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靴流通センターに来てつま先を流通させるひとを眺める
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永遠になりたかったねお互いのほつれた糸をほどいてく時間
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ちゃんとエサ食べててくれよ心配はそれだけなんだ逃げ出した虎
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足早な雲は初雪降らすのちひんがしの街目指して急ぐ
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休日出勤きゅうしつの本日「1の日」のラッキー・デイ 進まぬ気持ち切り替え出かける
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地に落ちる私の影は我よりもはるかに大きくたくましくあり
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各々の出自を抱き小魚はすくすくと知る潮だまりの世界
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外界を遮絶するこの殻ごしに寒い世間をやりすごしたい
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列状に産みつけられた鈍色の粒……春を待つ三点リーダ
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ボーダーを 越えてとうとう 雪景色 それならそれで また生きるだけ
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ハイタッチしたくなるよな短歌うたがあり 楽しい発見感じる努力
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通勤の バスにて恋の 散るを知り 降りますボタン 静かに点す  
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女の子私にそっとささやいた「この世は魔法使えないのよ」
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