午後二時の睡魔に吞み込まれるような抗えなさで落ちるのが恋
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ソファにて 午睡の君も 夏疲れ 夕餉は優しい 献立にせむ
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縁日は夜をそこだけ切り抜いて 眩しくあやしくちょっと切なく
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戸締りを終へた廊下の非常灯鬼火のごとく浮かびいざなふ
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空白を きみが見つけてくれたから 海も炎も「ぼく」の一部だ
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はじめよう だれも知らないままでいたあの日の僕らを知る物語
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春って象形文字だったのかな、君がスキップした昼下がり
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北空港✈️🈵から南下、又又、茹るような残暑、アツイ
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両腕を落とされようとこの口のナイフがやがてうたいはじめる
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じかんが れんぞくしてると だれも 証明してない︵?︶ みてるのは残像
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「キュコ」という音に振り向き ねこを見る 両手で懸命に引き戸開け来る
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祈れないそんな日もある たまにはね こころと言葉つながらないの
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ざわざわする心を持て余してひとり エアコンつけて布団をかぶる
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若き人 皆んなに力を 頂いて 我立ち上がる 夏の記念日
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でも、これが終わりじゃないよ残酷なことを言うけど耐えられるかな
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梅雨明けにいだいた懸念けねん当たるかな今年もやっぱり雨待ちの秋
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我が友の 納豆食べたし いつ来るか 尋ねる声が 痛々しきか
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命日の 孫らと訪れ 花飾る 帰りし時に 笑顔の女よ
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ガ島へと 若きレポーター 語りけり 今尚残る 連なる戦車
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返事見て 想像するよ かき氷 はしゃぐ声合えば  浴衣も笑う
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孫と来て 海の広さに 驚きし 岩に戯むる 海虫見つめ
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猛暑とか いろんな疲れが 今に来て とにかく眠い 口内炎痛い
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結婚しなかなか会えぬ息子たち ラインのアイコンさちを確認す
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残り日を 終活などと おごそかに ひらひら踊る ふたりの食卓
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日曜日 咳き込む友の元へ行きませう 豚しゃぶ食べて 体力をつけませう
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「本当だ!」を「ホントら!」という25の末息子今も可愛ゆし
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九夏閒きうかあひ 咲きををりたる綿わたの成り うてなねて綿花めんかのひらく
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ねこはゴキゲン かまってほしいお年頃 ぬくいあんよで よろこびキック
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薬飲みベッドに戻る日曜日 ねこだけ撫でて愛情補給
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花々と四角画面の人々と悲しいニュース 今朝の夏雨なつあめ
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