十七の夏を生き永らえてみた 爪切り 指先の小さな震え
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テラス席 あなたの心を照らす席 なんてダジャレ言ってみる時
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あの日見たきみの輝きもう一度 脳を焼かれる復活劇を
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悔しさを力に変えて飛躍する また日は昇るソールオリエンス
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この夏のネイルの色は葉緑素 きみのひかりと二酸化炭素
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猛暑だし秋になったら会いましょう メールしながら爪を切る夜
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妹の 退院先は 児相へと 私も家に 帰りたくない
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青稲穂 夏の終わりに つばくろの 鋭く舞いて 別れの予感
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前髪を3mm切ったらしかった 今から言おうと思っていたよ
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誰もかもトリコにさせるその笑顔  強い幸福感をあなたに
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秋口に 芋を煮るひと 集まりし 河原賑わう ソウルイベント
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新しいソシャゲにかける情熱か夏の終わりかどちらが先か
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血をたらし 滲ませた色の空もまた 熱の病か 夏の夕暮れ
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断捨離で 小銭と化した 本達よ 次なる出会いを祈っているよ
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星つなげああだこうだと地上から 届かぬように光るあなたに
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風送る我に告白する子供 決まってそなたはうちゅうじん
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かなかなと 鳴きとよみては寒蝉ひぐらしの み渡りてはこゑうら悲し
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結婚が上がりのマスを解雇されチュール片手に家路急いだ
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しっくりと来ない文字列 並び替え 単語を差し替え パズルのようだ
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この思い打ち明けようかと悩みつつ今日も再び日の沈み行く
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口元を隠す君にも夏が来て裸の笑みに目を逸らしたり
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ふたりしてお揃いおそろで買ったオルゴール どうしたらいい?本気で悩む
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SEの息子の話しはややこしい 1割理解し9割ハテナ
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もう逢えないなんてホントかな 目が覚めず現実世界の向こう側にいる
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きみも体温高いから冬が来たら「冷え性なの」と嘘をつきたい
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「あの海がうつくしいのは血と肉を咥え込んでいるからなのです」
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ロリィタの 服纏ひたる 老女居て 汝は汝と 云はれし気のする
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どの窓を探してもない音花火 こころざわめく夕げの支度
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海パンの名札を外し準備する明日は祖父と川に行くって
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窓の枠越えたならさあ愛の国 好きや嫌いは飴とおんなじ
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