くだらない 一日なんて 決してない 上司が語る 居酒屋教室
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小さな手 オレンジゼリー バナナを持って じぃじと駆け寄る 孫とコンビニ
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夏の雨には体温があったから思わず傘を閉じてしまった
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大粒の涙が黒いマスカラを星屑にする 対ありでした
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孫が来て やっと懐いて ぎゅっとする 昔の娘を 思い出すかな
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そーいえば 映画「キャリー」も 宗教二世 こどもに真理 説くは無理じい
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朝かすみ 春日山かすがのやま棚引たなひくを うす目あいたる盧舍那佛るしやなぶつみゆ
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日別朝夕大御饌ひごとあさゆふおほみけの きこしします大御神おほかみの 人草たみ安かれとおぼ大御心みこころ
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これ以上入らないでの目印にあなたの瞳に引く二重線
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不安時は爪噛む癖のある吾子の短い爪撫で「だいじょぶ」と言う
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知ってると 思い込んでの 行き違い 人の配慮の 難しさ知る
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新居にて ごめんなさいと 誤りし 今更なんだと 別れし妻へ
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夏休み地獄の鬼の行き先は大江山荘鬼ヶ島ビーチ
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夢を見た夢の中では幸せで 仕事に向かう足取り軽く
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いはない貴方あなたの想い出持っている 私は無敵生きていけるよ
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空高くそびえる入道雲こそが僕らふたりの夏の墓標だ
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今日もまた土曜出勤引き受けた 八方美人もたいがいにしろ
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茜色ベンチに座り眺めたね あの日の世界ふたりだけのもの
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寝るために生まれた部屋の片隅で膝を抱えてひとり笑おう
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手羽元の下ごしらえを プスプスと 楽しいような めんどいような
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連休のリスケもせずに飲みに行く君をストーリーで見てから眠る
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すきならさ たった5分の逢瀬でも 惜しまないでしょ 嘘ついたでしょ
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おれもいつかジョーカーになってしまうのか電車の座席で揺られつつ思う
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待ち時間長いとは言え 院内で 竜田揚げ食べるご婦人 二度見
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カンカンと 工事の音かな 途中から お祭囃子に 移行したなり
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八十路の親に 付き添う息子も高齢の 声かけ優しく 和む土曜日
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緑の葉 野良ニャン 陰で涼んでる 遊びにおいでよ うちでオヤツでも
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出勤の朝は 長い髪ひっつめ 背筋伸ばしてスイッチ入れる
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秒針の動きをじっと見つめてるだけでいちにち過ごせちゃうよね
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小一時間まちのつもりの 美容院 待ち時間ゼロで 今日はいい日だ
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