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月さんと 夜風にあたる さし飲みは 炭火のつまみで 今宵も一献
8
白く細く上へ〳〵と渦巻いて夏の初めの蚊取り線香
8
適切な 冷房使えと言うけれど 汗かき起きた 朝がととのう
6
コロナ禍で 久しぶりだよ 飲み会で 懐かしき人 会える喜び
7
洪水で畑全滅したのよと庭に残ったプチトマトくれる
10
鳥を焼き 蝉の鳴き声聴きながら お月さん出た ビアパーキング🍺
3
恋しいのが思い出か君か分からない そこはもうレテの川岸
2
愛
(
いと
)
おしい
貴方
(
あなた
)
の
居処
(
いどころ
)
を あの夏の暮れた街に置いてきてしまった
2
川遊び 冷えて上がる 帰り道 真黒き友らと 遠き夏休み
3
光満つ青春からも追い出され朱夏の日陰を彷徨い歩く
6
昼まさに女子高生がほっかむりするくらいに白熱あふれ
2
見下
(
みおろ
)
ろせばプール楽しむ園児たち 黄色い声と光る水しぶき
7
マンションの前でアリども線を引く ここまでがうち ここからがそと
5
毎日 期待を裏切り ごめんねと 東の空に 虹の置き土産
7
遠雷に 今か今かと 雨待てど 雲は去り行き 今日もため息
8
空の中
飛禽
(
ひきん
)
随意
(
ずいい
)
に 泳ぐなか
濡羽色
(
ぬればいろ
)
の
烏
(
カラス
)
がポツリ
2
いましがた 見
据
(
す
)
えた空は
何処
(
いずこ
)
かの
嘗
(
かつ
)
ての者も 目にしただろうか
1
真夜中の 窓外にはしゃぐ 冬の声 老いの寝床にも 凍える咳あり
3
過去の日々 知るも知らぬも 懐かしく 心の
底
(
そこ
)
で
甦
(
よみがへ
)
れと乞う
2
星なんかになれなくたって、その上のわずかな塵ですら輝ける
7
潮の
香
(
か
)
に
碧
(
あお
)
い
海風
(
うみかぜ
)
迫
(
せま
)
る音 波は己の 心を満たし
3
行く道の 割れ目に芽ざす
草花
(
くさばな
)
に
水滴
(
すいてき
)
切
(
せつ
)
なく
光
(
ひかり
)
眩
(
まぶ
)
しき
3
今日イチの驚き 新人看護師さん 出勤ゼロ日 就業ドタキャン
6
徒歩出勤 着いたそばから 水筒の お茶が半分 無くなった朝
12
蝉時雨
(
せみしぐれ
)
夏の暑さに降り注ぐ 秋の虫の
音
(
ね
)
聞かせておくれ
2
ゆくりなく
愁
(
うれ
)
い日にだけ 雨落ちて 淡紅色の ホオ
付
(
づ
)
き滑り
1
手の平をすり抜けてゆく青い鳥 いつでもここで帰りを待つよ
4
飲みすぎた仲間を運ぶ救急車車内でまだ飲む付き添いの猛者
2
救急車 久しぶりにか 呼ぶ友は 猛暑に倒れし 仕方なきかな
2
ピロンという ラインの音が 母の無事 知らせていると 猫
(
タヌ
)
にも解れば
7
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