ゆゑもなくゆふべむかしのそらにゐてひむがしとほくたれかとどめし
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そは夏の灼けつく松の林ゆゑ風だに灰のいろに吹くべし
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恋愛の基礎そのいちを教えます「殺戮でなく略奪をせよ」
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やることがないんだ ひとり 車内にて 歌を詠むことしかできないの
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朝焼けの風を集めて寝を寝夢いをぬゆめ 袖濡れ染めし露草の花
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美しい不在の証主なき赤い歯ブラシそのまま立てる
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喧嘩して そのことばかり考える あなたはそうとも限らぬ淋しさ
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秋色の新しい靴買ったからきみの呼び方変えてみたりとか
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はからずもきみの瞳とぶつかって鼓動が耳の奥で響いた
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目が合えば「行かないで」とそう言いそうで眼鏡を置いて空港に行く
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もういないあなたの椅子をぴかぴかに拭けばこんなに冷たい不在
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こんにちは、また会いましたね(誰だろう…)声と服しか覚えられない
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愛という言葉は使いたくないな 恋愛・性愛だと思うだろ?
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鼻先ににんじん吊るしひっぱればきみを起点にピタゴラスイッチ
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一万で買った革ジャン百円で買取に出す吾取り乱す
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無限小に押し潰されし言葉らは空想外へ と 溶  け 出  し   て   ゆく
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JAFジャフ呼んで もう一時間 過ぎました 僕を見つけてくれるだろうか
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コンパスが ぶれて綺麗な 円描けず 思春期の俺 尖った円形
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電車内 席を譲った 母娘 我が家に向かう 道前歩く
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残酷な 夢を見た朝 僕の顔 鏡に映る ゾンビの魂
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この雨は昨日の君に降りし後 吾がたそがれの袖を濡らしつ
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目にくくむ花のにほひはうばたまのやみのまにまに渦となりゆく
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紅葉々になにならひけむ言の葉やかきつむ袖を思ひこそやれ
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銭湯で卓球をするおばあさん卓球台は明るい台なり
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いろいろなことに「わかる…」と言うだけのbotのようなものになりたい
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ぶらんこに立って乗ること愛なんかなくてもやっていけていること
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だいじょうぶおまえは雨じゃないんだよだから安心して落ちてこい
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ほんとうは私もいつかペンギンになるのが夢で上京したの
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シャイニング・マスタベーション(そう、それは光り輝くためのオナニー)
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町はもう魔法少女の夢のなか大人のいない戦争がある
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