さみだれのコンサートまであと数節 高鳴る水がピチカート織る 0
とけてゆくさくらのはなが視えるのです 耳に音像 まどろみのいろ 0
紙ふぶき散りばめたようきんとんの萌ゆる色香をあなたのくちに 0
なみなみの砂に磁石を突っ込んでこぼれおちてく名づけられぬ葉 0
なみなみの感情に手を差し込んですくい上げては取り零すこども 0
言葉という箱の中に流し込む かたちを成して何かを失う 0
切っ尖をつんと澄ましたミニバラの泡立てたホイップのあどけなさ 0
不定期にタップが効かず世界に置き去りの小窓からこぼすゆび 0
籠入らずの玉が梅干しのようだから涼やかな笑みへ擲果 あまくなれ 1
知らなくていいから絵や文字だけ観てて〝遺されたメモ〟を見つけるように 1
ならべるとりんかくが浮かび上がるから遺物なの どんな◼️かいつか、 0
膨大な時間が目の前ひろがっておそろしいから目を閉じる 覚める 0
ゆびさきがつむいだことばを束ねて異も同もない花になりたい 2
ふくよかな奔流 踊る音飛沫 耳をすませば海が目醒める 0
もうりんごいくつ分の怪獣が来た 植民地産のジュースは誰が? 0
素麺に寝そべるように海に居たい 沈みもせずに 溺れもせずに 1
しだれ咲く天のむらさき乱れ髪 カーテン見上げ落ちゆくは我 2