「平成の海ってあおいよね」なんてきみが言うから・水色革命
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正統な愛し方ってあるんだろう 我流の僕は正しくはない
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ナイショでねお願いしますと ほほえんだ ひどいななんで僕には言うの
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ベタだとは思ってますよだとしても髪でも切らなきゃやってられない
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ほんとうにばかだな僕は 泣くくらい好きならちゃんと言えばよかった
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分からないそんないっぱい分からないやりたいことは心が動く
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長袖に 模様をつける雪の華 咲き乱れても 跡も残さず
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切れかけた蛍光灯が瞬いてSOSを打ち続けてる
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文明を引き継ぐために人間を生まねばならない程度の文明
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ジャガイモや玉ねぎミンチ塩こしょう 揚げればコロッケ キャベツどうした
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レモンサワーよりも酸っぱいことをしよう それでも僕は君が好きです
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この香水君の匂いがするねとか そっかもう使ってないんだもんね
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海賊と呼ばれた男の下巻では命張った男たちイランへ
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LLのナイトキャップにしまわれたショートカットが寒がっている
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本音なぞ吐けるわけがないだろう察して察して察して察しろ
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普段より小声で話せる距離にいたあなたに届くかこの切なさは
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好きな子は青葉のかげをきらきらと五百円玉みたいに走る
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ひとりでは消化しきれぬ鏡餅そんな形でさみしさは居り
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恋人に贈られしまま色褪せた齋藤史の歌集をひらく
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欲したのはそっち 私に価値がないことをしらせる無意味なお祈り
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手が滑る買ったばかりの本が落ちる 罰当たりだな罰当たりだな
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いつまでも手首を冷やす袖口の輪に沿ってしみ込んでいる水
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箸の持ち方はキレイな君なのにペンだこは薬指にあるよね
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また負けた昼飯選び三択で 思ってたのと違う唐揚げ
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命なら致死率百%だよ。廃墟の帝都に黒雨こくうが降つてる
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だるま市 閉塞感をブチ破るデカイ仕事に飢える寒空
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光降るガラスのような柔肌に血の色をした夏が満ちてる
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靴底を洗っているの薄氷を踏んでは割って過ごす一月
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病床の闇 おろしたてのカッターで生命線を薄く延ばして
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何度でも十四十五の降雪を尋ねやっぱり数IIは苦手
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