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墨を吐く飛び出したイカみてよいとおもうきもちがあってよかった
3
人を見て 壁が反り立つ 「内側」の 誰にも見えぬ 己れのATF
(
カベ
)
よ
8
最大の創造のためかけがえのないものすべて壊してしまう
3
あの過去の変えられなさに項垂れた私の赤い細胞ひかる
4
甘い歌くれる私の防衛軍乾いた頬の内で噛まれる
4
さよならも エモくしたがる 私たち 二人 病名は恋だった?
8
海底の傷に
海鼠
(
なまこ
)
は息づいてふうわりと降る雪を蒐める
3
リニューアル 生まれ変わったポートタワー みなと神戸のシンボル、おかえり
13
万全の自分を信じるためだけに手のひらの魔法陣を飲み込む
5
石段に染み込む君の細胞と あたしの間に契約ひとつ
2
大好きなすずらん今年も咲き始め 可憐な白に
故郷
(
さと
)
の初夏思う
13
田園を 車走らせ 風を感じ あてなき道を ただ前にゆく
5
初釣果好みの二尾を下げ帰る君に褒美のバター焼き並べ
13
仏壇に 手を合わせては 問いかける 生まれた意味と 生きていく意味
18
腰痛はがんばりの証し定番のしっぷ薬へ夫の出番
12
めくるめく 夏の匂いに 誘われて ひと足先に サンダルを履く
7
抱きしめる 溺れそうだと君は言う その時俺は限りなく水
8
教えてよ 目は口ほどに、と 言うけれど 私の目は なんて言ってる?
10
待つ時はぬるりぬるりと進む針 あなたのそばでは何故に素早い
8
寝ころんで けたたましくも 泣くこども 生命力が満ちていますな
10
掃除機をかけると決めて早5日 かけるかけるよ埃に急かされ
7
悲しみを集めて流る涙川桜の花の薄白の散る
11
おこったらまけだとさとすおとなたちみんななぐってだまらせたいな
2
穀雨の候、コンクリートの隙間から逞しく立ちて咲く
雑草
(
くさ
)
もあり
8
世の中が浮かれ気分の週末に 独りで飲んでるビールは苦い
11
愛犬のトリミングはもうお手のもの 夫の散髪鍛えた腕で
10
花筏ゆるり揺蕩う約束を果たせなかった町の外縁
8
気にさわる? それなら私は気配消し おとなの対応 丸くおさめる
15
親離れ『ギャリギャリ』『がんがん』口内で 始まり終わらぬ突貫工事
3
どれだけ時があったとて どれだけそれに病まれても 短歌は私を攫ってく
3
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