Utakata
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輪郭のかすみて揺るる満月の
輝
(
かかやき
)
のふと白薔薇となる
3
灰帯ぶる藍のあはひにうす目あけ甘き月光吸ふ四足獣
3
沈みつつ影も眠れる午前四時
文色
(
あいろ
)
なき
上
(
へ
)
に
若
(
も
)
しかしてゐる
2
銀灰の月の呼吸につつまれて会話のかたちにある白き椅子
5
強くなるために離したものたちを僕の弱さが忘れさせない
4
僕はいま
JAF
(
ジャフ
)
待ちながら詠んでます かしがっている車窓の景色
4
おろかなり
袂
(
たもと
)
の
須魔補
(
スマホ
)
眺めては 指でつつきて 時ぞ去りゆく
1
ユウ君を選んだあとに司会者が「モンティ・ホール」 迷わず変えよう、最後のナオ君
0
突然の 雨に君の手 しっかりと 握って走る 真夏のデート
0
肝試し 守るつもりが 守られて 明るいとこで 恥ずかしい俺
1
マイナスは プラスに変える 必需品 よく噛みしめて よく味わって
0
木漏れ陽の
(
こもれびの
)
道行く人ら お互いに 掛ける
挨拶
(
あいさつ
)
山の
愉
(
たの
)
しみ
3
雲とぢてあらずとも思ふそなたより雨そふ夕はあらはれぞゆく
4
見ぬそらのいろほのめかすひとふしを白雨の窓にうつりてぞ聞く
2
客人
(
まらうど
)
の去りて静けき
厨
(
くりや
)
にて赤葡萄酒の赤きに沈む
5
戦争も飢餓もなく日日詠みてゐるしあはせはこの頁の歌歌
3
はつかなるこゑにも揺るる
蠟燭
(
らふそく
)
のちひさき明かりのちひさきほかげ
5
問い掛けに隊伍の解は参集しマンデルブロの海岸を征く
2
平成を終わらす雪に背を向けて「オッケーグーグル、わたしと死んで」
4
ドロップ缶さいごのひとつかみ砕きわたしの骨はこんな冷たい
1
ただ生きてつられつられの毎日を見えぬ未来に費やす悲観
2
寂しさに骨があるならきっとぼく無理やり骨を折り続けてる
5
裏切りの色を纏ひし彼の人がどうか救われましますやうに
0
ねえ、ねえ、ねえ なあにと言ってほしいから わざと何度も名前呼ぶ
2
煎餅がテレビもラジオもかき消して 明日はきっとマシュマロ食べよう
1
暖かい できたてバーガー プラスして 君の笑顔に 胃が満たされる
0
昼間より 夜が眩しい 繁華街 眠り忘れた カラスが踊る
2
産まれたて 大きな声で 泣き叫ぶ 我が子元気で パパママ涙
1
そうなのか 篠津運河と言うんだな ここから見える あの水路って
1
TLに萌え絵と自爆テロ並び等しく消費される日常
0
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