年を取り タンパク質が 足りないと 神経痛に なるとわかった
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明日また会えると信じ 子どもらは 別れが来るなど 宇宙の彼方
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家事仕事まともにできていないけど それでも日々をくぐり抜けてる
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「できません」何度もWordに打ち込んで 何度も消して次へと進む
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三人の家族であるよこの内の一人死んだらたったふたりの
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「私はね焦げてる方が好きだから」母の方便を君に捧ぐ
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給料日まだ先なのにお財布にレシートばかりお札がないな
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その角に悩みが一つ立っている父だんだんと認知になりぬ
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腕時計五分遅れているようででも正確なような気もする
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水子など憑いてませんよ御不幸は冷凍されたバナナの祟り
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亡きひとの香り薄れし夜に届くツナマヨコーンの騒々しさよ
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溶けかけのキットカットをむさぼった春も今では朧となりて
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合法に命を削る数分間 コンビニで言う二桁の番号
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部屋の電気つけるかのように他人から恋人に切り替わる
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燦々とダイヤモンドダストが降る生まれる前から好きなこの街
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捻挫した瞬間 脳裏によぎるのは スラムダンクの最終回前
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「時が染み込んでて美味しい」食レポのセンスいいな あ、なんだ、空目か
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成人の規定は下がり十八歳 今日は二十歳を祝う日になり
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靴屋でも洋服屋でも売っている 入浴剤という名の玩具
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浅間山 白き高嶺は 笠雲かぶり 峰の向こうの 我が友思う
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振袖の 高嶺の花を 思いつつ 過ごしたあの日 九年前
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彼はもう寝たのだろうな午前二時三時四時五時 少し眠ろう
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君の血を見たとき赤くなかったらそしたら僕はどうするだろう
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魘されていても一応睡眠の補充にはなるらしい現実
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いつも聞きに行った物理の先生も私のこと忘れただろうね
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E=mc^2この式は「じじょう」と読む 先生の教え
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正月の蛇口にこびりついている片栗粉 蛸の唐揚げだろうか
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年明けてまず手懐けている活きのいいカレンダー逆さに巻いて
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真夜中の 尾崎豊に はげまされ 明日も心の driving allnightドライビンオーナイ
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「アイスには賞味期限はないよ」「それ、タイムカプセルみたいな話?」
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