9時間は友達とバカ騒ぎしないと死んでしまうようなあたし。
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生きるとは 燃やす歳月 燃料タンク いつ切れるかは 君に任せる
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仕舞い湯で風呂場を拭くのは父だった今は毎晩僕だ たそがれ
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君の返信ふみ正気を保ち待てるのはこの酒この風呂のおかげであろう
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卒業の日にも仕事だった父 誕生をいまだ祝うのも父
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死にたいと願った夜もあったけど夜の温度に生かされてもいる
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暗がりのなかスライムのASMRと米を研ぐ音まじる
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「ふわっ」とは「きちんと」よりも大事らしい卵料理も女っぷりも
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くちびるに かぜがぴゅうとふれたとき いきるりゆうが分からなくなり
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惜しむよに 手を振りて咲く 枝先の 名残の桜 一人見上げる
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自慢屋の彼女の会話は退屈で「ハ行」で相槌外は快晴
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風邪のときすきだったもの りんごうさぎ 冷えピタ 三十六度の手のひら
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うらやましい迷う余裕のあることが壁迫り来る一本道だ
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春の風 釣り竿しならせ遠くから 祭囃子まつりばやしの音を運ぶ
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おすすめユーザーの昔のクラスメイトをブロックして成り立つ青春
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「なぞなぞを出してよ」吾子よ なぜ君は 登校せぬのか? それが謎謎
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納豆はいいね 元カノあたしよりも粘着質なのに愛されててさ
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坂道でおぶってくれる人よりも分かれ道でも手を離さぬ人
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わざと「ん」で終わらすしりとりのように勝手に恋を終わらせた人
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「とりあえずビール頂戴」穴埋めに呼ばれた我も“とりあえず”居る
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混雑の極みマックのイートイン ポテト揚げたて、あとナゲットも
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常連じゃないのにどこか懐かしい 日焼けした紙「カツ丼」の文字
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辛味とは怒りの力 この日々を私はずっとやり過ごしてる
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嫉妬という文字には女が二人いる 私と貴方の元彼女である
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当然のように夜は来るし冬は寒いし君は隣にいないし
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居場所無く 無力で惨めな 中学校はこの中 よく頑張ったよね 十五の私
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マスカラもアイシャドウも落ちるじゃん なんで今更引き止めに来たの
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火傷して爛れたはずの皮膚だけど撫でる指のやさしさはわかるよ
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プラマイをゼロにしていけ奴なんて人間八十年では誤差だ
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好きだってこころを祀れないうちは結ばれる日はほんとに来ない
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