左耳のピアスホールが熱を持ち人生すべてが膿んでる気持ち
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土曜日の夜のエクレア、アクロイド殺しと家族の淹れた珈琲
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願い込め年に一度の逢瀬には雨よ降るなと天の川ミルキーウェイ
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ラーメンの画像を載せて「スタバなう」そう呟けばバズると思って
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土砂ぶりよこのままどんどん降り注ぎ うっとおしさも河まで流せ
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窓外の豪雨はわたのように舞いあなたの返信待っていました
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脱衣所のむかし転んだとこにまだ血が付いている落ち葉みたいに
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出掛けると思い出したかのように追いかけてきた雨雲の波
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雨を知っていますか 「愛してる」と「愛している」はすべて同じですか
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好きだけどあなたといたい日があればひとりでいたいそんな日もある
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常闇の 我が世に明かりも 彩りも 絶えて昇るは 紫煙の灯り
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「今日も雨」 頬膨らませた 傘越しに 雫が飾る 君の幻
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「気にするな、赦せ」と笑みがどやどやと 振り上げた腕そのままに欠伸あくび
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いいですよ隣の車輌にもうひとりオレがいたってかまいませんよ
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「光あれ」lux fiat 回路の網mother boardに のり満ちて おはよう世界 僕はここだよ
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しがらみをベッドの上にちらかしたミニマリストになれそうもない
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シベリヤの白カンバスに 黒い蛇光照らされ鱗輝く
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四十年しじゅうねん街の盛衰見届けて ブルーシートをその身に纏う
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言い訳をつらつら述べるひとのまえカトラリー全部きらきらにする
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いちねんせい くろランドセル てにもちつ じっとみつめる あかランドセル
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熱化粧 血を紅代わりに この顔は どんな雨でも 落ちないわよ
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壁を這う 嫌われ蝶に 寒気刺す 息を潜めて 防空壕へ
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うた曜日ひがな一にち歌を詠み言葉をまるめ言葉をひらく
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ぼちぼちと淡淡とただ歌を詠む時時のぞく日に包まれて
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気持ちバラバラに飛び散った丁寧に一欠片ずつ拾い上げよう
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距離感を過たずにはいられぬよう幾度目かの反省しきり
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電車待ち 目には雨粒に見えねども鼻腔くすぐる雨が降りしと
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おめでとう きみの二十歳はたちがいい年になるよう呪いかけました では
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悼みとは遺れるものの慰めで、交わした言葉、届かぬ言葉
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真名まなも知らず逝きてし君のアカウント 凍れる文字は今も定時に
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