夕寝覚め 通知のないスマホは言う 「君がなくとも世界は回る」
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あの人はあの角曲がってくることがわかる10分早起きの朝
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懐古してほっこりするにはあまりにも僕の青春グロテスクだな
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【きみがもし【来世でコインロッカーや【ポカリになつても【見つけてやるから【
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フロントの霜にスキと書いて消しキライキライと書いてまた消し
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イブの夜のホテルのロビーはサンゴ礁恋する魚が群れて泳いで
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みんなからひかりをもらうしあわせなわたしもだれか だれかのひかり
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こだまする 百年を経て タゴールの春の歓喜よろこび 私の真夏
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句も歌も私の中に降ってきてひとつひとつを書架に飾るの
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昨晩の夢に出てきた真赤なるアジサイを、ねぇ、いただけますか。
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伊右衛門のペットボトルの底にある「おおきに」の文字 キャップを開けた
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昨晩のコードブルーの方の部屋なんで空っぽ 黙礼ひとつ
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三週間ぶりに飲んだコーヒーの香りの強さ 八月二十日
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六月に亡くした臓器 そのばしょにきっとなにかがやどっているの
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心臓も脳も手足も動いてて「生きる」を思う八月の我
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ガンよ聞け 決して絶えぬ猛火にてお前のことを殺してやるよ
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曇天の地平をすすめコンバース 爪先のラバァ剥がれそうでも
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【泣いてゐる【きみかわたしか【神様か【永遠とわの霧雨【だれか泣いてる【
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耳元で優しく響く風の音にやすらけくあれ身の内の吾子あこ
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冬ざれの海は色無し音ばかり波よ風よ鳴き交うゴメよ
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僕が弾き君が歌った「500マイル」聞けば切なし時が過ぎても
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明治座に行く道すがらたい焼きの背びれかじりて君は笑みたり
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全ての人に幸あれと 願う人だけ あればいいのに
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みんなして 後ろ向き だと言うけれどこっちが後ろと誰が決めたの
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けふもまた初戀はつこいをして挫折して【さよなら】するためだれかが生まれて(続)
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イソジンを 首の周りに 塗りまくる なぜか復活 いんきんたむし
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サッカーを 見ている人の 興奮を 冷静に見る ミッドフィルダー
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zoomにて ひどく着込めば 暖房を ケチってるって わかってしまう
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高貴なる 詩を歌えど 実際は 生身の心 疼く傷跡
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幼子の 承認欲求 抑えれば 老いてもたげる 怪物と化す
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