刻々と流るる雲を映すビルお昼休みは空となるらむ
1
泡沫は淀みに浮かび 姿変え現世うつしよの中 笑みを降ろしつ
1
豪快にはみ出しているベーコンをかじって並のはみだしとする
3
黒猫にまぶたをかかれ目を覚ます ふたりで座りサッカーを観る
2
静かなる夜のほとりに空仰ぐ 紫雲しうんの上に救いあれよと
1
「ぐりこ」から「ぱいなつぷる」で並んだが「ちよこれいと」でベルギーの勝ち
2
春は桜と東京キー局騒ぎ終へなほも吹雪けりリラ待つ街は
0
目覚めれば忘れる夢のように人生もふいに忘れて死ぬのだろうか
3
銀のさかな泳ぐビルの間見上ぐれば誰も水死の湖底人なり
1
あの衛星に凸凹があるとは言いますが充分誤差の範囲内です
1
枝垂桜あふるる滝の薄紅に沁み出す君の影と泪と
0
夜になる 眠気虫が ぶんぶんと 夢の匂いに 僕も誘われ
1
酔っ払い倒れかけてるこの部屋に流れる曲はガレージパンク
2
月曜の朝からもう週末のことしか考えてないけどまあいいか
1
「はくちょう」と「おおわし」ならばお似合いよ 「こと座」なんかお呼びじゃないのよ
0
ベガおりひめアルタイルひこぼし行きのチケットを握りつぶした私はデネブ
3
「きみとなら火傷にも棲めるわ」「蝶の瞬きを冷凍しなくちゃね」
2
夜 きみが目蓋をそっと閉じるとき ひかって消えた それがぼくです
6
ゆめうつつ めづるみどりのさみだれに ふることもなし きみがももとせ
3
「ここ」に閉じ「あちら」を破壊したくなる 「そこ」へ行きたい 僕らの「そこ」へ
1
君に会うつもりで行ってみようかな 新規開館水族館に
1
ペンギンを君のメタファーにすることでやっと憎まず思い出せるよ
1
ペンギンのお腹に頬ずりしてみたらいつの間にか君になってた
0
大人には幾重にも枝わかれしてゆく欲望の迂回路がある
3
君の顔思い出そうとしてみても出てくるものはペンギンの腹
1
好きだった。改札口の向こうからペンギンみたいに駆け寄る君が。
4
ペンギンはプルトニウムで動くらしい。その気になれば空も飛べるぜ。
3
もう結婚指輪より長く填めてるな 離婚した俺がんばれ指輪
6
ペンギンのようなあなた?あれ?あなたペンギンだっけ?いいや丸いし。
0
水面みなもごとカエル啼くに星振りて デネブを麦茶に入れて飲み干す
1