生きている ただそれだけと 思う夜 明日の声が 聞こえない夜
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計画はうまくいかないときもある 誰も悪くない 悪くないんだよ
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森恵聴いて涙が出てついに耐えた別れに正直になる
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僕たちは何も知らない 愛情の受け取り方も与え方さえ
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あいたい たったひらがな四文字が五日分の涙 連れてきた
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今の時代も好きだけど 電話だけで繋がってたあの頃も愛おしい
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落ち着いた自分の心に安堵する 貴方が全て教えてくれた
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人生の終わりにシメがあるのならわたしもほしいやさしいおかゆ
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全力で駆け抜けてきたごほうびにケーキをたべる気力は無いね
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鮮烈な強さをもった明かりより豆電球のかわよいひかり
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立ち上がり白いごはんが炊けたなら無垢な幸せ望んでもよい
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墨を吐く飛び出したイカみてよいとおもうきもちがあってよかった
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人を見て 壁が反り立つ 「内側」の 誰にも見えぬ 己れのATFカベ
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最大の創造のためかけがえのないものすべて壊してしまう
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あの過去の変えられなさに項垂れた私の赤い細胞ひかる
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甘い歌くれる私の防衛軍乾いた頬の内で噛まれる
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さよならも エモくしたがる 私たち 二人 病名は恋だった?
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海底の傷に海鼠なまこは息づいてふうわりと降る雪を蒐める
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リニューアル 生まれ変わったポートタワー みなと神戸のシンボル、おかえり
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万全の自分を信じるためだけに手のひらの魔法陣を飲み込む
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石段に染み込む君の細胞と あたしの間に契約ひとつ
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大好きなすずらん今年も咲き始め 可憐な白に故郷さとの初夏思う
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田園を 車走らせ 風を感じ あてなき道を ただ前にゆく
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初釣果好みの二尾を下げ帰る君に褒美のバター焼き並べ
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仏壇に 手を合わせては 問いかける 生まれた意味と 生きていく意味
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腰痛はがんばりの証し定番のしっぷ薬へ夫の出番
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めくるめく 夏の匂いに 誘われて ひと足先に サンダルを履く
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抱きしめる 溺れそうだと君は言う その時俺は限りなく水
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教えてよ 目は口ほどに、と 言うけれど 私の目は なんて言ってる?
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待つ時はぬるりぬるりと進む針 あなたのそばでは何故に素早い
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