間違えてお粥を白米コースで炊き、炊飯器から吹きこぼれけり。
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六時起き身体の中に浸透し 「春が来たよ」と微笑む太陽
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何もない道で転んで 何もかもどうでもよくて 立ち上がれない。
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‪夢に見るきみはいちまいだけのこる写真のままで年をとらない‬
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条文に割り込んでくるウグイスの声にいきづくあかりとりまど
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こまどりや 今年は結局あなたとは会っていないし春も無かった
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死神も悪魔も鵺も妖怪も貴方も幸せになればいい
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この四月桜舞い散る淋しさを幾年見たか故人の言葉
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つぶらな瞳に負けて餌をやる。どちらが手懐けられているのか。
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オジュウの目静かに見据え跳び超えたシングルマイケル虹かかるなり
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草も木も花も野菜もコロナなし生きていけるよカラスが唱う
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ウイルスは三カ月で世界を変えた田んぼには水カエル泣き出す
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いつの間にか伝染する某についた名前は数多わからず
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朗読を浴びてインコはただひとり文語を使う風立ちぬ。いざ
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窓の外、白く伸びるケーブルを飛行機雲と見間違えたり。
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想い出が歳月かけて発酵し読書のコウジで地酒の詩になる
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君の顔いつから見なくなったかな 祈ることしかできなくてごめん
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墨色の鶏卵たまご割るごとおしまひのきみは予言により死せる生
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ホーホーと明けぬうちから鳴くハトの声を煩い枕をかぶる
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膝抱え 顔を填めて泣く君の 腕を退かせて 泣顔眺む
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月々の小遣ひにては買えざらむと指を咥へて眺むる雑誌
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目に見えぬけれどもそこにあるものは 神とオバケと愛、それ以外
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興味ある洋書で英語を学ばんとするも高くて諦めにけり
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専用の歯ブラシで磨く専用の前歯と牙と奥歯と舌
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揉んだら もっ つかめば ゆっ と変形し、ねこのからだはでたらめである
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歌を詠む声と仕事をする腕が同時に動かば楽しからまし
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玄米を水に浸して一日ひとひ待つ 「おいしくなれ」と声かけつ待つ
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無我夢中、水を掻き別く 波間より微かに見ゆる浜辺は遠く
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向かい合い焼く日も来ようそのために今は持ち帰る肉の弁当
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痛くしてしまった朝に慰めのようにあなたにもらったピアス
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