「ねえてかさ、そのアイシャドウかわいくね、恋じゃん」君の方が恋だよ
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カラス群れ 犬は遠吠え その後に…… 人間たちが忘れた言葉
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振りきらぬまま 最後と信じて ひと踏ん張り 足元邪魔する 後悔無視して
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級友の 使いし駅で 降りたりし 彼の面影 秋に偲びて
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断捨離をしなきゃしなきゃと思うほどスイッチ入らぬ平日休み
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陽だまりのテーブル、紙とペン、お菓子、ぬいぐるみ、あれば、それで暮らせた。
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茶色地に青紫の蝶が舞う ひらひら舞って地面にふわり
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花水木 イチョウ 桜と街路樹の紅葉も良し 秋の散歩道
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きみが好きだなんて言わないで 名前のない距離を愛しているから
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未だ舞う雪虫いくつか引き連れてワクチン接種の七度目を受く
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たかみより種子蒔くひとよ地平にてあわれみなきものすべて滅びよ
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バイバイは世界どこでも通じ合う 便利なことば さよならまたね
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口開けて 舌噛まないで 口開けて ペースト食を食べてお願い
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金木犀 見つける時は いつもひとり 今度ふたりで探しに行こう
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「生きろ」とか「死ぬな」みたいな言葉より明日の予定で決まる命よ
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十八の僕が今の僕を見て笑ってるんだ「あんな奴には」
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「頑張れ」はなんとも不思議な言葉です 言う人によって意味合い変わる
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僕にしか消せない星が揺らめいておねがい僕を僕をゆるして
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同じでも違っているって分かったり 次出会うのはどこの十字路
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あと1つ2つ何かを「買える」から「やめる」のままでまた年を越す
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猫の背に見えなくもない山峰に 猫に倣って あくびをひとつ 
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お前の口が銃口になる前に 言葉が弾丸になる前に
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醤油さし取る手を止めることもなく 焼かれた魚 戦火の報せ
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朝のひかり 受けて向かい合う ねことねこ ひとバトルなのか 挨拶なのか
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笹舟を浮かべて遊びし古里の小川も消えて暗渠となれり
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南天は難転と聞きたわめ居り 短冊掛を こさえ むと思ひ
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死ぬ時は、牡蠣小屋、うどんに北海道。食い尽くしてから一緒に死のう
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国からのマイナポイント餌付けされちょこちょこ使いちょこちょこ太る
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頭よりがぶりと食みし焼山女魚やまめ供養になるよと山小屋の人
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ラジオつけどっちのニュースだ戦闘は ガザ・ウクライナ続く銃声
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