きみのこと 好きになっていい って言うなら その時だけね 見ていていてね
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これいじょうやさしくしないであたしのこころはもうげんかいなんだから
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早咲きのたんぽぽはもう旅支度 今か今かと吹く風を待ち
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日本に チャットAI 会社くる 欧米くらべ 規制がゆるい
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何気ない 君からくれる LINEがね 今の俺のね 安定剤クスリなんだよ
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見送りに出なくても良いとドアの外遠のいて行く君の足音
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照れ隠しくるりと回り背を向ける 溶けた笑顔ととがらせた口
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きゅうを極む蒲公英のわたげは支度終え佇みて待つ旅立ちの風
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黒い渦 俺の壊心こころを横断中 いつになったら 熱帯低気圧いなくなるのか
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ふつふつと 酒はかもして 蔵人の 一所懸命 実りゆくなり
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真似をして 周りと合わせ 生きてきた 第二章を さあ、はじめよう
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どのように割り切ろうとも割り切れぬ数字は素数に想いは詩に
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通り雨追い越すために駆けていく生足が履く偽クロックス
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どこへ行く?どこへでも行く明日には 今日は最後の正しい私
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思い出す 風運び来る 花の香に 季節にいつも 匂い有ること
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水槽に繋げられては快楽を得る脳だらけ、単為生殖
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大切な金魚の涙に気付けない馬鹿な大人になってしまった
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買い替えの季節にどっと現れるスーツ姿をしている新品
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小鍋から麺をすくって食べている 救いでしょうか?いいえ誰でも
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本当の春があなたと共に去り小花をぎゅうと踏み潰す日々
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味の濃い 140字の君の世界 誰かが描いたアイコンと脳
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桃色の霧とリボンで目隠して盲目の君に届かない文ふみ
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愛してるその一言を言わないで去ってゆくのも愛かもしれない
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美少女と小鳥は餌をやらなけりゃすぐ死ぬんだと飼ってわかった
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陽だまりの特等席を定位置に老猫まどろむ耳を立てつつ
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最後まで残った手札のジョーカーが泣いているのを見てしまった
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歩道脇車停らぬ渡られぬ「うちらに魅力ないから?」と友
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憂鬱な 心の奥の 桜花 散りゆく様は 去年のままだ
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「完璧じゃないものが好き」そう言うと寂しく帰った空飛ぶお椀
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女の子は一人だとすぐしんでしまう 鯉のように群がらなきゃだめ
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