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カチカチと 時計は進み いつまでも 変わらぬ自分が 撮られた写真と
8
「ただいま」と鸚鵡返しで抱き疲れ ままもいいかな三歳終わる
8
いい天気お出かけしよとキミは言う 大丈夫俺はどこにも行かない
6
好々爺 看護師さんの前でだけ 家族はむっつり 柏餅食む
36
母が住む古いアパート顔出せば まずは座れとミネラル麦茶
9
酒蔵の多めの試飲に舌笑ふ ほろ酔ふ初夏の緑の杉玉
26
トンネルの向こうに虹が待っていたもう古希にまだ五十年ある
6
床の間に一年ぶりの武者人形。飾る吾らの手の老いにけり
11
今日もまた朝介護から逃げたいも妻の笑顔にさあちゃんとしろ
14
ぼろぼろのぼろぼろの人生をただひたすら酒を飲む
5
「もういいよ」 思い巡らす 贅沢さ まだまだ先が きっとあるはず
12
誤嚥して 夢の中から 飛び起きる
微睡
(
まどろ
)
む今宵 スマホ片手に
8
たぶん寂しいんだと思う、サボテンの棘にほっぺをくっつけてみる
12
溺れてく 自慢だらけの 海の中 今日も誰かの サーフィンの音
5
貧乏とハラスメントに耐えてきて生活保護がシェルターになる
14
世の中は 「差別、性別」 言うけれど それは綺麗な
言葉
(
バラ
)
の棘かも
6
真面目だけが取り柄の母娘職員に「保護の手本」と褒められ泣いた
15
柔らかな
灯
(
あ
)
かりと
天井
(
そら
)
の 白い色 一人も案外 悪くはないかも
4
「死にたい」と「消えたい」気持ちは一卵性 似ているけれど少し違うから
4
五七五七七で揃える短歌とは 言語パチスロなのかもしれない
5
向かい風 進む我らは 耐え忍ぶ 柳のように 柔く強かに
6
姫さまの結婚式に鳴り響く 嘘つき達のファンファーレ
3
やわらかい生身を包む毛布には打ち明ける傷包み隠さず
5
開ける窓吹き抜ける風纏わってすべてさらって悲しい空気
6
戻れない過去を何度も回帰する私たちだけ感じる世界
8
ユキという花屋の店主がおじさんで 訳ありなのかといつも思う
7
疲れてるだなんて感じさせないでもっともらしい言葉で撫でる
2
ごめんねと夜更かしをする心配は私ではなく
観葉植物
(
きみ
)
への光
7
ツツジ咲く 幼き
吾
(
われ
)
が通り過ぐ 花を
咥
(
くわ
)
えて通学路往く
33
やわらかい手触りのまま頭からやさしく覆い被さる地獄
4
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