細やかに 言葉を紡いで、届けてよ。くるまり眠れるぬくもりがほしいの
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ららるらら言葉はときに棘だからるらるららりら瑠璃の花束
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動きやすい服でスウェットを禁じられ困る人間の怠惰さが好き
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白い頬赤らめながら目を伏せる君の秘密の声が聞きたい
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悲しみの隠喩のような雨が降る 嬉しかろうと 寂しかろうと
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混凝土コンクリの透視図法のビルの間で 凍える真冬 零下 東京
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彼の名を刻んだリップよりぬるくかさつく皮膚が触れ合っている
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式場で歴ゼロ年の名を呼ばれ、役所でやっと実感がわく
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冬眠ができぬ代わりに皮下脂肪蓄えようか コンビニに寄る
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19になった私に「素数だね」理系の君はノート片手に
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愛してるの嘘はまだ残ってるのに深夜0時の魔法はとけて
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必要な買い物わすれ今晩はスパゲッティにメニュー変更
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3歳で金と女のよさを知る君は生粋のマフィアだった
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酸性雨//きみの返事を待っている ペットボトルのキャップが青い
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微分はね 積分の逆と 言うけれど 消える数字は 積分定数
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なんとなく伸ばしてた髪結ぼうと挑戦するが身の程を知る
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自分の中身ってきもいへろへろで心細いし酸っぱくてやだ
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息を吐く不定形のいきものになりたいたくさんの耐えがたい朝
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眠りによりちぎれた私の端を探す こうして少しずつずれていく
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遠景に見える鉄塔 不如帰ほととぎす 故郷の風は今日も冷えるか
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「この味がいいね」と君は言ったけど 別れた君だ 今日も平日
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風邪薬の苦さと慰められた時の気まずさの味は きっと似ている
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千年後勘違いした木々たちが冬に勝手にちかちか光る
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死んでから優しい言葉かけるなら目が合ううちに痛みに気づけよ
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人前で 一人前を 演ずるも 半人前な 男が一人
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喜びは 長き苦労を 耐えてこそ 大きくなりて 永遠まで続く
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経験を 与えるために この世あり 苦しみ耐えて 浄められんと
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苦しみも 病も老いも 死でさえも 人に益あり 成長のため
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間違った 子供を糺す 親よりも 真実の愛 何処にもあらず
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次々と 天から降る 災いを 恵みと思う 愛だと思う
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