‪青春の象徴として思い出す君の笑顔がぼんやりひかる‬
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‪死んだあといちばん好きな歌になりまどろむようにたゆたってたい‬
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‪丁寧な暮らしのために外食で頼むグレープフルーツジュース‬
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魂があの人の名を呼んでいるのを訝しげに見続けている
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出窓にて驟雨眺める初夏の夕 切なさだけがただ蒸発す
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信じたい その嘘なのか 吐く息と お約束セット たばこの煙
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初恋を 蘇らせて 涙した 目の前にいる あなたのうた
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青春は 苦くて甘い そんなもの 誰が決めたの その通りだばか
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カタリナは 誰にもあるよ 心の内 インビジブルな 錯覚みせて
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雲がまた仕事をするための光くれないのだから仕方なくない?
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梅雨が来る前に衣替えをするそれだけでもう尊敬するよ
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大切なものを大切にすることそれだけできればとおもうそれすら
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プライドの高さが本当に似ている嫌いだけれど憎くはないよ
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おいしいよ食べてごらんと差し出され食べたはいいが覚えていない
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言わせるな気づかせるなよ何もかも何年も経っているのにいまだ
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言の葉は思いを形作るものだから私は何も言わない
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酒を呑み母の面影気付くたび太腿にまた爪痕増える
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君が見た夢の子猫のかんばせは不安を煮詰めて押し出していた
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目印のパンを食べたのあたしなの 君を帰したくないの、ごめん
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祭の日恋人繋ぎで笑うきみイチゴシロップ何故だか苦い
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青春はあの教室に置いてきた 一度も味わうことのないまま
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パチパチとホチキスが鳴く居残りで ぼちぼち告白今がチャンスだ
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ふと灯る吾が恋心熱く燃ゆ アイの炎は藍より青し
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ここよりも高いところはもう行けない 夢も理想も捨てて飛びます
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愛憎を灼けたヒールで踏みしめて今夜ひとりでワルツを踊る
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引っ越して未だ馴染めぬ商店街独り者には賑やかすぎて
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週末に逃げ込むための毎日で徐々に心が死んでいく音
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学生が慣れないスーツで右往左往終わりの見えない椅子取りゲーム
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遠雷を聞いた夕暮れふたりきり 帰れないねとどっちが言った?
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きみが挿すあじさい色の髪留めを揺らし鳴らして吹いた黒南風
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