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薄暗い部屋で右手を強打して生きていること感じる痛み
13
白猫
(
しらたま
)
はニャアと鳴いては頭突きする しなる体の温かいこと
15
週明けは仕事片付け皆さんのウタカタを読む二、三日分
14
朝軽く からだシャキッとテキパキと 午後はヨレヨレ アリナミン切れ
8
短歌本読み作者の才能に感心するわれ歌詠み続く
6
目の中で黒いスライム飼つている歩けば跳ねて術後良好
8
明後日
(
あさって
)
が健康診断受診日で今日も明日もビールは飲まない
10
風船は小さくなってゆきました。いつかぱちんとはじけたら空
4
父が母に「生まれてからずっと付き合っていた気分」と手帳に
遺す
(
のこ
)
6
いそいそと僕のおうちにやってきた 三年前の新型スマホ
8
ばあちゃんが新米炊き方議論中 場所がパン屋で笑ってしまう
9
私有地でフォークリフトを手繰らへばいつもと同じ風が頬なで
7
趣味がない というか生きてる意味がない 寂しい 虚しい 何も意義がない
3
脚弱り山の拝殿辿れない ふもと拝礼申し訳なし
12
神秘とはかくも悲惨で痛ましき泥の
裡
(
うち
)
より
出
(
いで
)
る不思議よ
7
千年の
鈍
(
なまくら
)
を研ぎて来し
槿
(
むくげ
)
が わが髄脳に
藍
(
らん
)
の
匕首
(
ひしゅ
)
さす
6
サイコロが 転がるように 回る世界 出る目は違えど 君は僕と
5
「あっいいな」思って場所を見てみると遠く前橋、福岡、東京
5
三人で恋話する大学生まだ恋愛の苦しさ知らず
8
溢れ出す ゴミ箱の外 大名は 渋谷と共に 始発を待つ
3
会うだけでちぎれんばかりに風を切るしっぽが愛を白状したら
6
強情の業を降ろして軽やかに飛び交う蜻蛉の美しさかな
17
ゼリエースのゼリーにだけある圧倒な食品サンプル感
10
ベビー連れママの談笑見おる
瞳
(
め
)
に記憶ばかりが遥かに
霞
(
かす
)
む
9
きらきらの星のかけらを何度もなぞる 空にこぼれたミルクのように
7
牧水のうたはやさしき 白妙の衣干すてふ家庭のごとし
5
窓開けて朝の秋風こぼれ入る引きこもることない一日を
14
わくらばにその一輪を据ゑおきて
去
(
い
)
にし人の名 知らまほしき
哉
(
かな
)
4
逢ふことを昂り喜ぶこの気持ち自分のみと知ふといと悲しけり
5
とこしへに眠らむ姫の黒檀か わが口付けに起きもせでゐる
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