Utakata
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愛さずに 愛されもせず 生きてきて 人生晩秋 木枯らし寒し
1
食べるのが大好きだった筈なのに 胃が食べ物を受け付けない
1
「アチアチ」とグラタンをそっと置く母に育てられたんだこんな大事に
15
流星を 君に差し上げるとしても このトゲトゲは、取っておきたい
3
尽くしても 届かぬ
文
(
ふみ
)
や 思いなら この心臓など つぶれてしまえ
3
出土した卒業写真を燃やして初めて歌えそうだ『卒業』
4
場所前はジョーカーだったね盛り上がるヒールにスペード互角だったね
3
寝たふりでふるえる瞼 苦笑いして助手席の子を抱き上げる
3
不甲斐なく溢れて落ちる雨眺めこの寂しさの正体探す
12
人はねぇ~ 本気で泣くとき 肩で泣くんだって 僕の瞳が 濡れているのは何?
2
知らなかったよ 暗い部屋にいたからね 外は真昼間 僕の心は ブラックホール
2
オンボロの一眼レフをガラス越しに 眺める君はちびっ子のよに
5
思い決して 踏み出した先は ぬかるみで あぁ、また道を 間違えちゃったかな・・・
2
地球の 公転速度は 時速一〇万キロ 君との距離は たぶんそれくらい
2
「……ん?」『ん?』「ん?
んーん
(
いいや
)
」『
んー
(
そう
)
』 僕らの仲は会話と言うよりモールス信号
5
「思い出を数えていても始まらない」? 何か始めたいわけでもないのに
2
イヤホン越し あなたの甘いビブラート ふいに恋しい晩秋の夜
1
永遠に繰り上がれないまま生きる隣のゼロを切り捨てながら
4
長くなるほどに詩情は薄れゆく(短歌、友情、雨雪、恋愛)
4
「天才に ただただ蹂躙されるため 僕らはここにいるんじゃないのに」
4
歌うのを やめてしまったカナリアは アーカイブすら残さなかった
6
「僕たちが、どんな仲って?」 「運命の林檎をふたりでかじった仲さ」
3
生きること。どうせおんなじ孤独なら ひとり玉座に座ってたいよね。
2
「ねぇお前。知っているかい、彼女はね、甘い紅茶は 飲まなかったよ」
2
穏やかな晩秋の風を部屋の中に入れよ囲炉裏のパチパチパチ
7
無いより良い、明日も人でいたいから。朝晩食後寝る前、四錠。
10
サモトラケのニケから羽根を授かって 空に飛び立つ ミロのヴィーナス
5
蕪を擦り 鱈を炙って 過ごす冬 柚子の実を摘みに行ってきますね
3
それだけの 罪と心の闇を抱えても幸せになれるとでも?
3
三角のチョコレートパイ、冬の季語 冬を感じる 霜、雪、チョコパイ
3
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