二杯酢にはいず胡瓜きゅうりとワカメの酢の物で笑顔になる君が愛おしくて
4
二日間漬け込んでいたスペアリブ君の残した骨まで淫靡いんび
5
大きめの枕を抱いて寝る君を何時間でも眺めてられる
7
大切な予定をキャンセルしてまでも一緒に寝てくれる君が好きです
4
豪雨でも飲みに誘ってくれる君 その後も家に来てくれる君
3
ワインバー飲み会疲れの君といて 右肩に乗る頭がぬく
4
「Verb!」って産声あげたから人は色んな動きに名前をつけた
4
月ごもり 雨季の知らせは ささやかに 温い君との 暫しの別れ
5
雨上がり 雲のはざまに 苺月 私の紫煙で 君を秘めたい
6
よくないものに群がった翅音めく音波電動歯ブラシを歯に
5
手土産に調理パン二個持って来るスッカラカンでまた義理堅い
8
彼女よりお母さんだよそんな目で見たらダメだよ忠告してるよ
4
一日をまた君と歩くこの街の学生みたいに自転車を押す
11
言ってよ好きだって今すぐに その唇はかわいい飾り?
4
今日もまたテキトーな仕事する皆を見ないフリして社会は回る
4
最果てでお会いしましょう約束ね 指切りなんてしなくていい
7
雨の日を重ねるごとに見せてゆく夢を裸を手首の傷を
5
特別な日にはケーキがあったからケーキセットを頼む休日
2
何気ない会話を歌に詠んでみれば恥ずかしいと照れて笑う君
2
アベックとカップルとでは何が違う言ってる世代や地方が違う
2
真っ白な髪の少女を見て思う富山の祖母は元気だろうか
6
私のこと撮ってください伝えれば私と短歌を撮ってくれる君
1
エレベーター降りてきたのは自転車のお店のおじさんどうしたのだろう
2
乾杯と献杯の違いよくわからずとりあえず周りに合わせてみようか
1
ばんざーい万々歳と聞こえれば私もしようか万歳三唱
3
よしよしとつらい人を慰めつつ私の頼る先はどこなの
3
東から来た電報をAIで西に送っただけの一日
8
懐かしいいい匂いのする君がいる次回はいつに会えるのでしょう
1
京都人こころを隠し人と会う本当の心いつ見えるのか
1
ビアボール ホッピーだろと毒づいて 我が国のいま貧しさを想う
3