盛場に 若き男女のもつれるを たれか私に 嗤へと言へよ
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生きていると隣にコトリと唐突な死が置かれることもある朝
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人前で泣かないと言っていた君のメイク直しの理由を作る
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カーエアコン ガンガン浴びてサッと降り 眼鏡曇りてしばし留まる
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我が街はスタバが四軒乱立す ステイタスとは遥かな昔
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兄貴風吹かせて長男意気揚々 味噌汁こぼし盛大に泣く
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下の子も一緒に行くと六時起き 体操カードにスタンプもらう
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あの部長 定年前に退職と人づてに聞く 色々あったと
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命とは 自分次第で 屑となり 宝玉となる 神の賜物
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信じない 人はいつでも 空中に 浮かんで消える シャボンのようだ
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神なんぞ いるわけがない そう思う あなたを神は なんと思うか
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魂が 天に運ばれ 神に会う その時までに いい人になれ
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そう思う 天から神が 見ていれば 一人寂しく 死ぬわけでなし
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歳をとれ 生気も美貌も 失われ 一人寂しく 過ごす毎日
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どのように 死ぬか生きるか 本人に 任せられても 大抵同じ
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明日死ぬ そう思うから 今日生きる 気持ちばかりで 何も変わらず
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若者よ みんな死ぬのだ その日まで 現実を見ず 浮かれて過ごせ
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老人の 仲間入りした その日から 死人仲間に 誘われる日々
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知らず知らず帰る いつもと違う道 土曜 漂う カレーの香り
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半分こ二倍美味しくなる魔法とけてなくなるキュンと儚い
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「大丈夫」「パフェになります」テレビでもバイト敬語が勢力伸ばす
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右見ても左を見ても人気者胸高鳴るは此処も向こうも
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どこであれ杭がこっちにある限り美しいのは常にあっちだ
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大雨を 遺せし雲が 谷となす かはの小石は 星となるらむ
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柔らかきBの鉛筆削りつつそのとがを見つ酔ひが身のすゑ
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高架下「どうせオレは」と吐き捨ててキューピーコーワ一本に泣く
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灰色の朝のホームの虚しさよ人身事故のアナウンス
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愛してる 半べそかきの夕焼けと鉄道橋のキスを見ていた
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四面楚歌 社畜ぼっちのオレはただ太田胃散を味わって飲む
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公園が最果ての地っぽい夕焼けに染まって私、鳥になりたい
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