わたしよりわたしを大事にする君を わたしは大事にできてるかしら
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のんびりと防災無線の読み上げる﹁熊が出ました﹂10分圏内
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生きててもしょうがない とか思いたくないだけだから 「愛しているよ」
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路地裏に生活音と香り立つ 母のカレーを思い出す夏
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嫁ぎ来し祖母の黒引き見事にて仕立て直して纏ふ晴れの日
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波やはき浅瀬に立てば我が足と七つの海は繋がりてあり
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朝採れのレタスを千切る丁寧な暮らしは遠くただそれを食む
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思ひ出は組紐のごと美しく互ひに絡み結はれほどかれ
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あのひとはおれが寝ている六年のに結婚し子は小学生
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親戚の宴も過ぎて涸れた茶のような人間関係でいい
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地獄逝き 当然だよね 閻魔さま。 きみはアルトに逢わせてほしい
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楽しみな週末がもうやってくる 一番似合うリップを塗って
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投げられたその一言が刺さってる この苦しみが、僕だけなんて
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薄青い宵を待つ街を歩いてる平和じゃないけど平和な気分だ
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義母ははが逝くいい嫁だったと褒めてくれ伝え聞いたよ大好きだったよ
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混ぜたあと 1分待ったら 食べ頃の スープを2分 待つが猫舌
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「立つしゃもじ、割れているから捨てちゃえば?」息子きみからの誕プレ捨てれるわけないじゃん
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雨音とあなたの声を聴くだけで 焼け焦げそうになったはらわた
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もういいよ あんたなんか捨ててやる アタシを探すな こっちに来るな
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ただ少し足並み揃えていたいだけあとに引けないそんな時には
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一人でもポテチはパーティー開けをする なぜならパーティーをしてるわけだし
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燃えないゴミのことが特にわからないのだけど君を守りたいんだ
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DVD時々食べるPS3 産前休暇の先輩想う
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生かされていることに感謝という気持ちにはなれなかった 選んで生きてる
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2本目の煙草はいつだって苦い マイルドセブンが墓前で朽ちる
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二階より伝つておりる縄梯子この世の外のいづこなりとも
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入院の 手続き済ませ 帰りつき ふっと気を抜き 我が猫らを恋う
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山をこそ思ひかけしか谷水の深き緑も夏の色なり
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乙女らが松浦の川の光る瀬に鮎子さばしる夏は来にけり
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失ったこころの穴が大きくて そこからすべて溺れ落ちてく
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