拭えない今日のさみしさ 老けたなと鏡の前ではにかんでみる
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みんなへと私が優しくしていても みんなは私に優しくはない
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来月にオープンかつや テンションが上がる揚げ物てんやも来てや
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朝焼けやカラスが一羽ニトリ前 孤高の強さ黒は染まらず
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バチバチの相撲漫画に惚れ込んで全巻読破日付押し出し
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細菌を殺す薬を入れてみる金魚の治療は鮮やかなブルー
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けふもまた 薄暮の名残を抱き寄せる En la orilla del mundoこんな世界の端つこ にて
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真夜中に 冷蔵庫開け ビール出し 何もなくても キャラメルコーン
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うきうきと 買って帰って 切り分ける 冷蔵庫に入るか スイカ一玉
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会議など 時間の無駄と 感じつつ 一時間かけ 愚痴と報告会
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満席を詰めてもらった真心で借りた装苑モデルの気分
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失言を繰り返し吐くインテリが気の毒哀れ知識より知恵
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暗黒の荒れ野の果てに辿り着くバーで出されたカクテルの味
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茹で蛙の比喩は蛙の本能を舐めすぎだよね。しかし暑いな。
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おあいにくながら乱数表よりも歌が不得手な身・身・身でしてね
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あたしのことちゃんと見てよおって泣き叫ぶ女はいつも醜い
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ありがとうございます。あの何か他に訊きたいことはアブラカタブラ
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朝メジャー昼甲子園日暮れても野球ファンには多忙で至福
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現世うつつよに煙が紛れて染みたよでちょいと御手手を繋いでほしい
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あのひとの髪の長さはいつのもの 夢から過去を検索してる
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抱きしめて浅い呼吸を繰り返す 呪いの影が寄せては引いて
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真盛りの 夏の日差しに 吹寄せる エンジュの花は 蛍光の雪
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一人ゆく 旅路も 花の散りぬれば 水面たゆたう 百日紅かな
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パレットで休憩してた鬼蜻蜓おにやんま「よく働くねぇ」と笑ってらあ
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他人ひとよりも遥かに長い『しんにょう』に思い切れない私が出てる
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共感がほしいわけじゃなく適当に笑ってほしい事がらがある
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がん細胞みたく複製コピーに失敗した思い出トラウマが脳に蔓延る
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「寄せては返す波」ナチュラルな陸から目線 沈んだ人は静か
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夏休み冷房の切れた教室で君が爪弾くFmaj7エフメジャーセブン
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挨拶を返さぬパート プライドや事情量って溜飲下げる
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