Utakata
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見波縞
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みずうみのすきとおるほどの静けさであなたはずっと星を見ていた
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「嫌いです、あなたのことが本当に」 言いたくなるほど自分が嫌い
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時間とは「流れる」よりも「重なる」と無言で語る父の本棚
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見る緑見る緑みな輝けり 生は束の間 春を行く道
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指切りをしよう約束破れても君の小指に触れた本当
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なお花の香を
縁
(
よすが
)
とし去りし日の影を追うても暮れる晩秋
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制服の擦れた袖口いじっては誰かを待っていただけの秋
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エアコンをつけるかどうかに迷うほか何もできずに夜を迎える
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不意に指切る紙のような鋭さはどうしていつも血が出て気付く
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新しい歌を聞けなくなった頃コーヒーばかり飲むようになった
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一年の残り日数数えては夜をやたらと引き伸ばしている
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毎日を合わない靴で行くようで花でも見ずにはやってられない
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面影を街に探してあの頃の私ばかりが亡霊のように
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甘いもの好きでもないのに頬張って美味いと言えず代わりに吐き気
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一日はまた排水口に落ちていく 捻った覚えのない蛇口から
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ないものはどうでもよかった 未来とか、可能性とか、生きる意味とか
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手繰り寄せ探って触れる過去の日が未来みたいに新しく光る
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星よただ冷徹であれ頭上にて瞬いていろ決して届くな
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匂いだけずっと変わらず香るのに窓の向こうがやたら眩しい
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然
(
しか
)
れども我が愛するを君はただ幼児のように踏み躙りけり
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ちょうどいい田舎ちょうどいい暮らし ちょうどよくない十六の秋
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この夜がどう明けるのか知らないし明日がどうとか考えられない
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海の中沈む心地で眠りたい ただ微睡みを漂っていたい
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消し忘れた電気に帰ってきて気付くようなあの頃約束した日
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紙上では整列している文字たちが脳の隙間を這いずり回る
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走るほど置いていかれているようで止まれないまま逸る心臓
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食わずには生きてゆけない、いつであれ しょっぱい飯も 苦いあの実も
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雨の降る日暮れ追い越し秋が来て 花は散ったか 月は満ちたか
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故郷より星は確かに遠ざかり血潮の音に波見る目蓋
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秋の夜はますます深く街を抱き あなたも眠る 短い夢と
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