Utakata
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見波縞
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調わない自律神経引っ提げて寝床のために這い回る日々
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日々に降る言葉ばかりが積もる中動けず眠るだけの休日
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爪を切る煩わしさに似た夜の眠れないまま過ぎゆく時間
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透明な傘の蠢く交差点 細胞たちの行き交う都会
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最終の特急列車乗り込めば星敷き詰めたような街並み
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ラジオから流れる声の涼しさよ 眠れぬ夜の更けゆくばかり
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彼の言う理想に君が突き返す「いけすかない」がずっと眩しい
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いくらでも捨ててしまっていいような何かばかりが積もりゆく部屋
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昔見た映画のラストシーンならひとりで何度も泣かせてくれる
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真夜中のラーメン旨し この夏の罪数えては両手を合わせ
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あの頃は頁をめくる指だけが私を遠くへ逃してくれた
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季節とは匂いからまず変わるのであの窓いつも開けたままです
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君の目の青き光のその向こう 懐かしむことに慣れてしまった
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あの鳥居並んで潜った夕暮れをひとりで想うくらいには自由
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「山が海が美しすぎる」と繰り返し呟きながらビル街を這う
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今月ももう三分の一終わったと気付いて啜る苦き珈琲
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爪を塗る密やかな夜の静けさよ 明日は遠くへ歩いていこう
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もう顔を思い出せない君の手は真珠のような色をしていた
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もうずっと消えてしまいたかったと言えずにいるから消えられずにいる
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面影を数えてひとつふたつとす その指先に私はいない
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眠れずに昔の歌を口ずさむ 現にしたい夢もないまま
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虫のようにひたむきにすら生きられずただ転がって時間が溶ける
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一筋の髪がはりつく首筋につい目を伏せた同じ制服
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我に差す朝の光の烈しさよ 腐らせ捨てる罪なき無花果
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エアコンをつけるか迷う二十二時 眠気・空腹・めんどい・だるい
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一〇〇枚の写真撮れども真実はわたしではない わたしではない
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水っぽい西瓜かじって眺めても昼間遊んだ波はもうない
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漣をずっと眺めていられると疑わなかった木槿咲く頃
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永遠は時を忘れることだろう だからおやすみブーゲンビリア
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焦りとか悲しみとかで片付ける言葉が嫌でひとり歩いた
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