貴方の所為 融けた心を削り取る ラクレットみたい笑っちゃうよね
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千本の鳥居くぐりたりまだ母と親子ごっこができてた頃に
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中指でたどる左に巻くつむじ ここを世界の中心とする
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助手席から 君の声が しないのは それはもはや 違和感でしかない
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この言葉 舐めると少し甘いでしょう? だって優しさとは違うもの
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あの日から忘れられなくなりました 鬱を漢字で書けます、私
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君がまた明日も歩いてゆくために僕はここでお茶を淹れるよ
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ぴったりに 三十一文字に 詠まなくていい 僕は3句目の 字余りが好き
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万葉仮名って とっても面白い 暴走族の 「夜露死苦ヨロシク」と 同じノリ
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庭に咲く月下美人を見る美人 見れない僕を見る月兎
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背表紙に 映る貴方の まなざしは 電子書籍じゃ 出逢えなかった
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いつもなら 二口で食べる ミニあんぱん ちまちま五口に分け食べる(※恋)
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「錠剤の成分表は芸術」と、月を眺める人狼病者
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灰色の 冷たい空に 染み入って ぼやけた牡丹色のマフラー
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瑠璃色の ニットを深くかぶっても 太刀打ちできぬ 深遠の森
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あの石に 戻りたいから 今日も僕は 琥珀色のコートを羽織る
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青柳の饅頭食べてその柳しだれる様に舌鼓せむ
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猫はこう見えていることがわかった転んだことで知った事実だ
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前髪が濡れてしまってバーコードのようなさやかがこっちに来る
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僕たちが 生まれた場所に 帰ろうか クリームソーダのグラスの中へ
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現代短歌を 詠み始めて わかったよ 枕詞なんて 入れる余地ない
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歌詠むには 病んでる位が ちょうどイイ いや、あくまでも 僕は、ですヨ
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生きるのに 疲れてきたよ 自殺も怖い だから僕は 心を殺した
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大丈夫と 口癖のように答えたけれど 気づいてくれた もう大丈夫
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衣替えのたびに君を思い出す コートの裏地を転がるビー玉
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あなたからささやかれた愛の言葉すらすら打てる予測変換
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フリスクの匂いに竹は似合わない月に行くのは悪くない夢
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世の中に 自分を好いてくれる人 きっと いるはず 信じて生きる
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今もまだ ときめき感じられるから 好き「だった」とは言えそうにない
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今後はもう 星占いをふたりぶん チェックすることもないのでしょうね
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