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君の蔓 重ね滴る 紅い花 襞の奥から この世の果てへ
8
ギター弾く人のうしろを通るとき振り向かないでくれと願った
9
海岸の無機質の山 戻せない時間を収める音は無機質
6
ふんだくる ふんだくるくる ふんだくる カネからヤツを ふんだくるのよ
21
おひるねは 怠惰ではない お仕事の能率を上げ 合理的なの
15
バラストの灼ける匂いと風の音ローカル線のホームにひとり
16
後ろ手にまとめた手を引かれ行きいやだいやだと大喜びして
11
本棚は古本の香り十五年積み重なった私とあなた
19
雲の色をたしかめたくて
水平線
(
ホライズン
)
大きな海のはじまりに着く
17
みみうしろ やわらか猫毛 もふもふし 思い出すのは 子猫の時代
14
逆光のなかにある街 清水の舞台の傾斜たしかめながら
13
この町の
駅舎
(
えき
)
のライトに照らされてひとりにひとつずつ影はある
45
簡単な人でありたい薄い雲ばかり行き交う夏空のもと
30
球体の破壊あるいはたんぽぽの綿毛をとばす 遠くへ あるいは
22
ゆび先の 当たるつよさは 不安定 だけど気持ちは ショパンかリスト
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ゆきどけに水面はあり冬舗道ひかりを受けていずこにも空
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