どろどろとした鬱屈を濾したから 由比ガ浜の色サックスブルー
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夏の終わりあの子がくれた飴玉を口に含んだまま眠り込む
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ハリケーン 今この瞬間 降り続く 窓の外では お祭り騒ぎ
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さよならを決めてしまうと 笑顔しか浮かんで来ない ごめんさよなら
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体温計咥えてぐんぐん上がる熱 仮装大賞思い出しをり
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会社ではしっかり被るかぶ猫の君家では未だいま 反抗期中
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こんなもんお尻にぬっときゃいいんすよ 余計な善意をしょ背負ったクリーム
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まあるくてつやつやとしてきみどりで畑のキャベツが一番正しい
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熊くらいでかいお犬にまたがってずんずん山に吸い込まれたい
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「立候補しました‼︎」友の投稿を寝ころんで読む27の夏
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妻子留守刺身日本酒 つかの間の一人宴だ急げや急げ
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白衣着てマスク帽子のウェイター モツ定すぐ出る工場方式
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前奏がポップで軽く嵐かと 校歌斉唱空に煌めく
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智慧語る 君の言葉が まことなら 正義感など 我道になし
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指置くと グノシエンヌの 淀みから 生への怠惰が とどめられない
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まだ眠い朝焼けの部屋君からのメール開けるとあ、月の匂い
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尻の中 一面に見えるひらかたパーク 枚方凄すぎ! まあ知らんけど
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口づけはあなたのかさぶた塞ぐまで遠雷のような恋をしていた
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陽炎を越えると秘密の入口が……あるはずもなく道は続いた
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白か黒か選べぬのなら 桃色の道を歩こう 君と一緒に
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ちいさな手 君が遺した朝顔は 夜を知らない星になるから
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休日だぁ ドライブに行く 気力さえ 残ってなかった コロナ禍の盆
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ときめきはまやかしですか平熱の恋でも信じてみていいですか
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五十円玉が欲しいと 三十円手渡されるよな 理不尽な恋
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三日坊主も万年ならば何かしら 何かにならぬかしら四十五しじゅうご
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透明なハートが赤く色づきて 今日を一日 愉快に過ごそう
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昨夜の情事こと 断ち切るように爪を切る パチンパチンと深爪をする
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ずるい骨 珊瑚のように軽く白く 最期まであなたは美しかった
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周りから祝福されるだけの彼ひと  私だけの、を探してるのに
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その次の一手をいつも巡らせる オセロみたいな恋は終わりね
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