愛なのか 世界は一つ 金なのか 利己心のため 争う世界
1
春よのう コートの前の ボタンせず 風を受ければ 気持ちも軽く
1
じゃがいもを 植える季節が やってきた 猫の額の 貸し農園に
1
みつかってしまったからはやむをえず正体さらしマスクをかぶる
2
恋って呼びたいものを呼べばいいんじゃない あなたは言って、チョコレートミルクを飲んだ
1
これが恋なら、ぜんぶ恋になってしまいます
1
ひとりはさみしい あなたといるとひとりがもっとさみしい
1
割れた爪を撫でた 服の繊維が引っ掛かっていた
1
在りし日は狭き我が家も父母なくて独り住む身に広き辛さよ
4
今でもまだ あなたに抱く恋心 孫のできる 歳になっても
10
一人時間 やりたいことを挙げ連ね 寂しくないわと 強がってみる
8
一人歩く夜の友今宵は沈丁花 なんだかきみに会いたくなった
2
浅ましく 露干る頬に 歩み寄る 日がな一日 心離れじ
3
思うまま生きてゆくことが出来ぬならどうか思うまま死なせてほしい
5
おもしろいからそのままにしておこう仏壇上のアロマキャンドル
2
幸せに必ずすると言ったでしょどうして離婚してくれないの!
7
まっすぐにあなたの幸せ祈ってやれるそんな女に生まれたかった
3
雪残る比良山風に釣る海人の袖とともにもかへる雁がね
2
極楽より一筋垂れる蜘蛛の糸引きちぎるのが僕にはお似合い
3
半夜の空 街の光を反射してレム睡眠に魘されている
2
帰りゆく雁ぞ鳴くなる春霞立田の山の曙の空
3
梅ケ香に匂へる春の夜の闇はうつつも夢も分かれざりけり
4
帰る雁声は雲居に高砂の尾上の松も霞む有明
3
ベランダの 紫陽花新芽 嬉し春 やって良かった 還暦引っ越し
3
べつに死にたいわけじゃないそばにいてくれるのが死だっただけのこと
3
弓張の月のいるさの山の端にこしぢをさしてかへる雁がね
3
風誘い春の近きを感じつつ戻りし寒さ堪える小猫が
3
黒兎 愛し愛され 花開き 星おいかける 夢はあと求む
3
余りにもわかりやすい価値だけがこの右手には握られている
2
Virtual実質上のとはなんなのかと思いつつ今日も推しに5000円を投げる
2