Utakata
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智大
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半夜の空 街の光を反射してレム睡眠に魘されている
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こんなにも広いラブホテルのトイレに二人籠って「もったいないね」
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君からの返信一つで僕なんか生きている価値もないと思える
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失語症の父が何度も初孫のフォトフレーム手に黙って眺む
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158円に対し213円を出しまだ生きている
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大人とは、余計な荷物が増えるけどそれを無駄とは思わないこと
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直進と左折と赤の信号機雨上がりの地面にかかる虹
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「フォークだとお家でサラダを食べててもレストランみたい」と言って頬張る
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人の死も時間が私を大丈夫にさせるが、それさえ私は悲しい
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少年は、側溝のドブの中にも夢を見つけているもんだなぁ
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助手席の口数少ない父親のノラ・ジョーンズに揺れる右足
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朝方の君の手を取りぼやけてるコンタクトレンズ越しに見る夢
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いつか君から教えてもらった曲ももう忘れられない解けない呪い
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耳を澄まさなくてもお茶の泡消える音が聞こえるくらいに独り
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ここだけは夏を終わらせまいとする残暑蔓延る立体駐車場
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甲子園のサイレンは誰から教わることもなく嗚呼とただ夏に鳴く
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このお茶を飲み干すまではここにいて、いるだけでいい、いるだけでいい。
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君よりも素敵な人はいるけれど、君といた僕はもう見つからない
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思い出す度に胸が痛む記憶はアルツハイマーになってもきっと
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あなたとの思い出は消えず幽霊となり台所をうろうろとする
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別れとは、君との思い出一つずつ忘れる作業を強いられること
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そっけない君から「話したいことがある」これから別れを告げられに行く
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土砂降りに濡れて「最悪」と言う君に「最悪」と返す最高の夜
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いつの日か無くしたネクタイピンが見つかった三十五度の猛暑日
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「雨の音、揚げ物してるみたいだね」 うねったポニーテールの毛先
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真夜中の赤信号に立ち止まる世界はひとり何を待つのか
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