傘のうちに招じ入れたる霧雨に濡れそぼつのあさましき身は
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絢爛な虚飾に虚実に戯言にまぶしたそれを過去と呼ぶのか
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肋骨を打鍵し内に仕込まれたメトロノームを加速させてく
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フラクタルに殖えゆく宇宙に産声を上げよ人の子カオスの末子まつご
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紫陽花の葉っぱを上から順々に撫で落ちていく雨アルペジオ
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炭鉱のカナリアみたいな息づかい ヒールの釘をカチカチ鳴かせ
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道端にヒールの靴底おちている 生き急ぐことへレジスタンスだ
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干していたシャツから滴る雨粒にこの世の全てを諦めている
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家にいるはずの三毛猫見つからぬ 今日と明日の隙間で寝てる
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昼顔のらっぱが野原いちめんに 世界の終わりにきっとかわいく
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轟音をともなう閃光とともに飛来してきた隕石のきみ
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鈍色の雨すら遅いこんな日は君の深度の音に沈んで
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森の木の葉っぱ一枚一枚に奏でる歌を教えてる雨
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連山に山脈なんて連なれよアルプスなんだこの恋の空
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何故だろう?ドンピシャなんてタイミング恋の号砲スタートが鳴る
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土砂降りに「全力ファイト!」虹なんて君もいないよこんな世界に
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冬なんてサヨナラなんて恋なんて始まらないねその道をゆけ
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虫なんて音が良すぎる鳴りなんて潜められない調べの夜に
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君の詠む短歌の「君」が他のひとになったら私、また君に詠むね
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人気にんきあるハート見てると10以上 でもサイバー空間人気ひとけない
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十二月末はみんなで恋をする、らしいぞらしいが・・・ホントなのか?
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失恋しても 腹は減るし 頭はかゆい そんな自分が とことんイヤだ
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物足りない 仕事の邪魔を する君が いないだけで あぁ、何だか
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気が狂れるほどにくちびる重ねても僕らはいつもひとりとひとり
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ひんやりと俯く身体 その上を赤と緑に光って泳ぐ
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君の手は時おりひどく優しくて犬でいいやと思ってしまう
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「なんだ赤ずきんじゃないのか」 そう言って 僕を投げ捨て 帰る狼
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『感情は 人身事故の影響で 約10分の遅れとなります。』
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干からびた小鉢の牛蒡をともがらにキッチン・ドランカー・オブ・ジ・エンドす
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僕はただ 麦や野花を踏みつけてまで飛びたいと 思えないから
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