子の前で初めて泣いた今日が子の記憶に残らなければいいな
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六丁目にいる私は独創性花開く予定理由など無し
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そもそもの話なんにも言うことは無い義務感でつむぐ文字列
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そにどりの青き春北風はるならひ散らぬ花も日影に心下紐解く北風と太陽知ってる?閉ざされた心の解き方青春のさだめ
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エントロピーを下げる装置として生きる押しピンにだって役割がある
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どんなことにも揺るがないしあわせを思い付かないミロは溶けない
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生きてるということ人と触れあって生きるのは無理と日々悟ること
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逃げたいよ いっそこのまま かくれんぼ すぐに見つけて 連れ戻してよ
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善意から余計なことをしないよう「祈り」をさせておくのだ、と聞いた
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次の世で生まれ変わるはもう要らぬ痛み悲しみすべて無くなれ
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抱きしめた泣いたりもした元気でね私を母にしてくれた君
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うずたかく本積み上がる いつの日か「罪ありき」とて崩壊するまで
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放課後は窓に腰掛け話したね夕陽が君を包んだ日だよ
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バビロンの煉瓦の壁が伝えゆく上古の暮らし市井の想い
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誰々の言葉なんだと言うよりも自分の言葉で言うべきなんだ
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向日葵の斜め姿が音を消し雲に隠れた盛夏の陽射し
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仮想の場言の葉浮かぶ急流に吹き荒びたり議論の嵐
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中央線 これで会うのが最後なら花束なんかいらなかったよ
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クル・ド・パリ紺に煌く文字盤のずしりと重いデイリーウォッチ
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まじキモい奴から逃げずに向かっていけ。攻撃は最大の防御になるぞ
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このままじゃ核弾頭は載せられぬ抑止の技が必要なんだ
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冬の夜帰路にて浮かぶ悩み事オレンジライトが優しく照らす
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ロケットの白尾に願いしアド・アストラ散りても芽吹く夢の春草
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春が来てはじめて交わすくちづけは世界の終わりを告げるサイレン
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あの場合怒らなくてもよかったがたまにはいいかと怒ってみたよ
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夕映えの冬空駆ける川風に向かいて漕ぎし自転車ペダル
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三月はいつも僕らを追いかけて果たすことない約束させる
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蝉時雨入道雲が追い立てて陽も陰るのは夏の昼前
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トンネルを歩みて抜ける白河の光溢れる夜の天蓋
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今を飛ぶラムはやたらとかわいいなあたるも今はじいさんだろう
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