泥と汗 祈りのように染みついて けれども夏はかならず終わる
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カンバスのように端までぴんと干す 明日を描く白いTシャツ
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差し掛けた傘の朱のした水鏡 経帷子のごとき白無垢
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後ろ髪引く手を断ちて花嫁はあらたな産着の白無垢纏い
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ゲームしてカップ麺食みラインして罪悪感蹴り 朝ぼらけかな
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「我こそは地球防衛軍一号」と 仁王立ちしてリングプル外す
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星たちと砂丘をこえる隊商キャラバンの足跡というアンダーライン
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教訓だ、学ぶはずだというけれど 思い出すのも難しい過去
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童貞を取り糺された夢追いびとに破かれたなど言えぬストッ
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絶対無理のアラームが改札もろとも告げていく。失恋なのか
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硫黄泉 体に臭いが ついていて 不潔じゃないの 心配するな
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寒がりな 親父がくしゃみ 出てばかり 鼻に来そうで 驚くあまり
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嫌われた目も合わしてはくれないで恋の終わりはくるくるキャッツ
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間違いがそもそも元よ探しもの檸檬はぎゅっと絞り続ける
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顔を上げ壁を乗り越え見下ろして一歩踏み出し世界は逆さ
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雪なんて降るのか肩に二人ならきっと並んだ冬の道だよ
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頭痛して保健室にて仮眠する目覚めかけここは白い海原
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放課後の夕陽の窓に置き去りし明日の灯りを探しゆきたり
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寒空にふわりと舞うのは君の命 掌の熱で掴めず溶ける
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真っしゅぐ真っ直ぐと言い過ぎていく顔を拝めないまま追い越されるなんて
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魂の ギター高額 落札と ゆえ人使用 涙の選択
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借金を 七百万も 貯めといて ギャンブル負ける クズな芸人
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僕がもし 死んだら悲しむ 人は3人くらい 人間関係 断捨離したから
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ふぅぅってすこし遅めの昼食をたいらげあげる吐息とマスク
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帰省せば机にぽつり葬パンフそっと部屋出て知らぬが仏
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血が滲むみたいな恋をくりかえしすぐに汚れる僕の心臓
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三日月の メイドが静かに提供す ヤミ伯爵の 惑星サンド
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泣きながら 背にのしかかる 怪物の 由来を君は 知ろうともせず
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蹌踉けても起始と立つ真四角のゴム印ヒールを押してく裏通り
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〝君は君として為すべきことを為せ〞カーテンの裏に書いてあった。
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