気力では どうにもならない 世を生きる 君に敬意を (あるいは、さよなら)
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(本当は 選ばれたくなどないんでしょ?) カップの底から 声が聞こえた
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君の持つ 秘めた火花に どうしても 惹かれちゃうんだ、羽虫だからさ
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活発に古典ワークの片隅でパラパラ走る彼こそタフネス
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冬の朝ネット投稿で始まりし短歌の世界へ皆で連れて行く
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シートとか ☆とか♥️とか 点数で 僕らは評価されたくなどない
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結局さ みんな時間がないんだよ たった三十一文字ぶんも
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さぁ歌え 小鳥や海や、青空も 歌っていれば 痛みも忘れる。
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くらい海の 底からもがき続けたら 掴めた、赤い、誰かのバトン
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呼ばれたか 望んだからか わからない わからないまま 今ここにいる。
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僕を幸せにしようとしないでよ (殺したいなら 話は別だが)
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化け物に なってこの町を出て行く 夢を見たんだ (夢じゃなかった)
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人に好かれたくないんだ、この僕は 「僕なんか」 いや、「人間なんかに」
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『人は第一印象が九割です』 ここまで読んで 血反吐を吐いた
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つきあかり 眠れるすべてのこどもらのおでこにやさしいやさしいキスを
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忘れてる気がする帰るべき場所を かんばせあかく染めて残照
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開かれる紙の扉の向こうがわ 山手線が雨を聞いてる
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清潔な真昼のテレビは被害者を無限ループで殺し続ける
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顔をあげ誇れにきびの傷跡も あばたの梨の甘き香りを
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過ぎ去った暦の薄皮ひとつ剥き雫滴る葡萄の九月
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潔く晩夏に散った虫どもを無粋に弔う青き冬瓜
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明瞭にすれば痛みと呼ぶ疼き 優しいだけならバファリンでいい
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ギヤを上げ加速していく直線は次の夏までつながっている
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常夜灯 いつからお前はいやらしい女を照らす光になった
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君はいま迷うことなく片翼を広げて飛んだ 空は嵐だ
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初期化せず去ったあなたの指紋しか認証できないわたしの身体
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百年の醒めない眠りのぼくらまた百一年目の恋をはじめる
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原罪を犯さぬ卵三個割り甘いわたしの堕天オムレツ
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傲慢であれ塩素系漂白剤 苛烈にすべてを白へと戻せ
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泥と汗 祈りのように染みついて けれども夏はかならず終わる
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