終電の車輪の振動揺りかごのような安らぎ夢の旅人
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花ぐはし桜の木洩れ日追い駆けて 空知らぬ雪は 風に振り吹雪く
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夏草の野原に佇む藍色の花をよすがに心乱れて
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脱出は諦めましょうどこまでも続く回廊せめて漂う
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2年間の休暇が欲しい無人島に送られたって構いやしない
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まどろみのままで48時間終わるならこんな終わり方が良い
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万が一出られないかと思ったが出された飯は食ってしまった
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スタバ出る前にカップもナプキンも僕まで捨てて君は出てゆく
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「特定の人の特別な存在になるとか怖いので結構です」
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身体はいずれ克服されるもの……としても今日は何を着ようか
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「人」はいず「男」や「女」ばかり多い、思えば偏った街である。
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寂しさを「さみしさ」と読む人だからこんなセリフを言わせてしまう
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「女でも男でも別にいいじゃん」がなんでこんなに通じないのか
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鉄柵の向こうで銃を握る手はシュークリームを上手に食べた
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射精する女もいれば経血を流す男もいる。慣れてくれ。
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あの時にもし戻れるなら「想い出」を「想い」のうちに殺しときたい
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いつもそう 抱きしめたってすり抜ける 半分くらい君は虚像だ
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男とは見た目じゃないと断言し見れば魅せられ庭師村雨
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いとけなさ 胸がきゅーっとキュートアグレッション 突つく小指にぷに・・めくっぺ
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ひとくちを またひとくちを 味わうと ハマってしまう あなたの虜
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アップルパイを焼いてあげましょうね、あなたに
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パイ菓子よ幾何学的なパターンを描いて何を報せんとする
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昨日よりすこしていねいに約束を交わした指では引けないひきがね
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声高に歌ふオリオンだに見えず しはぶきのよに をめく若人
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星離れ 凪の瞳に 一雫 流るるままに 想ふがままに
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自転車の籠いっぱいに花束を詰めていくわ驚かないでね
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邪魔なのは この現実の方じゃなく、逃げたがってる「私」の方だ
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梅香り 岳より訪ねる 春を待つ 冬の旅立ち 惜しむべからず
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もてあます日々の長きにあれこれとすることもなくただ呑みすごす
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春が来たって最初に告げたい君しか見えない可視光線で
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