積み上がる 来るかどうかも不確かな きみに捧げたりんごのカード
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うすっぺらな紙ひとつでは思いの陰り消せもせず可能な孵化を
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iPhoneを見つめる僕を見つめてる僕より僕の好み知るこれ
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毛羽立ちを撫で合うような恋だった 抜け落ちた羽 見ないふりした
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音楽の教師になれず今はただ焼くか茹でるか卵見つめる
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今はまだ無謀なほどの夢掴む手は手袋にしまうけれども
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なんだっけ夢で作ったあの短歌街がどうたらあの子がなんたら
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踊り場で汗ぬぐいまた登りだす祖母の背中をそっと支えて
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虹渡る順を僕らは知らねども日付の古き卵から割る
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個室から出てきた母と入れかわるとその便座のなまあたたかさ
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ギャグマンガ日和で明日の歴史のテスト勉強してる午前二時
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ためらわずロマンティックに浸りたい慰められる流れ星みて
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風が吹き鈴が勝手に鳴り出した 恋よ 恋が今はじまったの
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雪が降ると小窓開けて見る君のまぶたのうしろ すでにちらちら
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暇になり父の後ろをついてゆき喪服着たままコンビニへゆく
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オーディション落ちたあの子に動揺し手を抜いた午後 そんな青春
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眠るのがもったいなくて短歌詠む明日あすは昼まで眠ると決める
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もらいます あなたの言葉をありがたく 座って歩数計を振るように 
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種が落ち綿毛はどこへゆくだろうこのやさしげな風にまぎれて
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珈琲のあぶくあぶくのそれぞれに我の顔あり我の顔みる
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刺すことのあれこれ知らず幼児おさなごは「さしみさしみ」とひくく歌えり
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寂しいとおまえは思うことあるか尻尾持っても丸まり動かず
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余り物で出来た料理が美味しくて幸せはそんな他愛無いこと
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愛してよ、きまって君は言うけれど 愛という名のそれは「依存」だ
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そんなにもいちゃもん付けて楽しいか? 規定に反してませんよね
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スカートの丈と釦と毛先しか 見ないあんたを盲目にしたい
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置かれればトレーへ手渡されれば手へ釣り銭取る手は店員次第
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生きていたいやっと心が上向いた少しずつでも歩いて行こう
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これ以上何も返してこないように「ありがとう」とだけ答えるの
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ジェルネイル 伸びた地爪の3ミリは君に会えない時間の目盛り
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