何事も無いと勝手に決めていた 検査結果に 不安いや増す
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眼前の 歪む世界は いつもより 僕を優しく 包み込んでゆく
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豪雨でも ピーカンでもなき日に移動 ほど良き陽と風 ありがたきかな
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どこか厭世的な響き、でも ジョージ·ウィンストンのピアノが好き
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君が着るラベル一枚剥ぎ取って飲み干した後すすいで捨てる
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心臓を叩きつけられ脳みそも発散するような感覚これは何
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白き蓮に 顔を近づけて お花は ずっしりと重い 雨後の匂い
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床につく 父の目にも あざやかな 青い朝顔 いっせいに咲く
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若いころ 父に似た人 えらばないと 結局似た人が すぐそばにいる
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くれないの 花咲く野原 銃器持つ 兵進みゆく そんな不条理
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「幸せ」の言葉がなんか高すぎて日常会話で浮いていくんだ
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いわゆるクズの日々過ごし無定義の時間に意味があると信じて
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連れ立って ねこたち廊下に お散歩に 自力でドアあけ 器用なことよ
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足裏を突き刺す欠片に悲鳴上げ 犯人ほしは昨夜の食べこぼした我
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かあさんも猫さん達も食べ物は粒が好みだ豆とカリカリ
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『天』という大きな才に蓋をする 出る杭を打つ嫌らしい文字
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近寄れば切りつけられる青芒 青の時代の君のようです
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さみしいなもう夏至ですか知ってるかどんどん冬が近くなります
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いつからか 母が調理をする都度に 火の元注意と LINE声かけ
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園の池とんぼ飛び交いあめんぼの立てる波紋と風の細波
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はな活けは あこぎなしごと ルッキズム ドーピングやら ヒエラルキーやら
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中空に止まっている熊蜂は小さな黒点だが近づけば目玉見えそう
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燕らが駅構内を飛びをりて巣を作るらし夏来るかも
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手や足の傷は薄れて目立たぬが心の痛みは今も感じる
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風太郎自身はいかな死に方と臨終図鑑読みつつ思ふ
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あははと笑うキヨちやんに私も笑顔を返すけれど心の中は切ない
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正太郎まねたる吾は不忍の池之端にてカツレツを食ふ
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曲がるたび屈むごと今日ガタゴツン物にぶつかる物吹っ飛ばす
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ピン刺しにほんのすこし沈ませた5本に磔にされた蝶
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撫でてくれ オヤツもくれる 「おかあちゃん」 ねこたちそうそう 忘れはしない
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