五千円 貧乏才女をなぜ選ぶ 田中角栄にしてほしいな
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てんこもり 帽子を三つ重ねてる マリー王妃のような婆さん
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遠吠えのようなバイクの音だから夕焼け小焼けの道の侘しさ
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「うちのこ」は 犬か猫か人間か 話し聞いてもとんと分からん
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学び舎で過ごした記憶それぞれが違うのが妙絶対時間
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車からベッドへ移し酒盛りを雨中戦線成功祝し
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似てきたと言われ次男と自撮りする 髪質も似る薄毛の予感
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長男は優柔不断 長考の構え崩さず土産決まらず
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お揃いのコスプレばかり目について誰がキャストか誰がお客か
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可愛さと狂気が混じる夢の国大行列は三時間待ち
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東へと向かう高速 日は昇りいよいよ白くなりゆく視界
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夜雨やうの音 過去の己の三十一みそひとは今の己の無二の理解者
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見返した、写真嫌いな表情に思う、記憶は全て朧げ
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失くしてたパズルの最後の1ピースみたいな人とだまって歩く
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まだ僕はずっと聴いてるあの曲の“When I was”から抜け出せずいる
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寂しいも痛いも嫌だも眠たいも 幼子はみな「お母さん」と泣く
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追い風よ吹かないでくれ 今だけはまだおもいでと共にありたい
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踊る君 背中の羽は本物で草臥れさえも芸術だった
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他人なら殺さないのに家族だから殺した……そんなのがまた一つ
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生きていくためには足りぬ憎しみをぐつぐつ煮込み用意する鍋
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きつねでもないのにごめんが言えなくて そっと置いとく君の好物
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間に合っていない冬毛で膝の上 百年生きてあやかしになれ
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君想いすぎて焦がしたパンケーキそれでも無縁ため息弱気
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お砂糖と素敵ななにかとスパイスで できてる少女の時は短い
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男らがガシガシ洗う歯や顔や頭にあった少年の皮膚
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秋のはぼくらふわふわつつみこむ行きう人はにこにこしてる
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電車内ティンカーベルの臭いワキもうすぐ来たる忌々しき日
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欲しかった愛の代わりになるかもと プリンとチョコをつめこんでみる
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君いないぬくもりロスが進む床フードロスほど問題視なし
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いいんだな ここでそいつを使ったら鳥獣保護法が黙ってないぜ
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