「うのしょうまー」椅子に座ってくるくると一人でまわる寂しさってない
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振り向いてズボンに春がはねている「泥だ」とわらう父は少年
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学校でプログラミングを学べども命令どおりにゆかぬ社会よ
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きみの言う『好き』はオナニーめいていて私のことじゃないみたいだね
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少しだけ温度が違う君の肌に溶けてじゃがいもスープの気分
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まるで歯を欠いたオルゴール 必要な言葉が僕らの間に足りない
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呆けたか価値を見い出せないだけか 誕生日なのにライン忘れた
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蕗の芽と散歩途中に戯れるわが家の犬に初めての春
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遺棄された廊下のしっぽ犯人はうちのまりちゃん食っちまったと
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二百色あるらしい 雪、砂糖、塩、冷凍ごはん、空の履歴書
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ひとりきりで自分のメンテをしていますこれも仕事と割り切ってます
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カピバラになってあらゆる動物が寄ってくるような日々を生きたい
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噛み締めて奥歯から血が滲み出る「君は無理して生きているよね」
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土曜日の可動時間は3時間これでもなかなか長くなったよ
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アフリカで話すときには抱きしめるように話せと老人がいう
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昨日まで触れあいそうな距離にいた君はこころの中の結晶
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もしぼくが声をかけたらあの人は 片想いは可能性のまま
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春雨に潤みて息もしやすかり花に水やるごときなるらし
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人々に忘れ去られた悲しみの墓標のように桜は咲きぬ
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彼氏より眷属がほしいと嘯いて返事も聞かず空へ連れ出す
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斧の柄の朽つるも知らで眺めまし散らずは花の山の杣人
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蝿が飛ぶ音が聞こえる 根性が腐っていると言われた日から
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見習いの魔法使いが雨上がり虹をえがくがすぐ消えちゃうの
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咲き続く花の梢や初瀬より吉野に渡す雲の架け橋
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どの窓にも 均等に月は注がれて 金色に光るシャンパン飲みつつ
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スイセンが教えてくれた 可愛げな人には必ず毒があるって
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ちょうどいい量のヒカリを欲してる瞳は変光星のようだね
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自分から運動しようと思うのは229日より少ない
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朝陽浴び車道を駆ける白鶺鴒ハクセキレイ 今日の勇気を少しもらおう
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蝸牛我に槍あり鎧ありなめるんじゃねぇ食うんじゃねぇ
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