蝋紙に露とペガスス座を包み 夜長にしゃくり 齧ればほぼ梨
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稲わらとよく似た色の犬の目に映る 実りの先に雪原
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もう眠る準備をしてる忘れずに海馬の小屋の戸締りをして
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ピストルが怖くてきっと運動会ある日の空はこんなに高い
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ひたちなかコキアコスモス那珂湊初めて尽くし刺激の喜び
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学ぶことで解決できない悩みはない 歩みを止めずに前を向けよ
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分からないことは人に聞けばいいだけのはずだから 臆病が邪魔だ
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人の世は助けられたり助けたり 巡り巡ってまたいつの日か
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記録とは乗り越えるためあると言う 放物線は歴史を超えて
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月頭荷物まとめてやって来た 今年も残り三カ月切る
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日曜のダッシュのツケは二日後に 齢感じる明日誕生日
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世界など終わってしまえと思うほどには荒みたる道の枯草
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デーブスペクターがしょうもないダジャレ言ってる日々はどこ行った
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自首電話 才能がなくても努力し続けるという才能がない
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人知れず言えない悩み抱えてはできた生傷 「ああ、癒えない」
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かさぶたがひらひら剥がれかけていてむしっちゃだめと君は言うけど
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君想(きみおも)い 既読の付かぬ苛立ちに 画面も凍てる 眼差し向ける
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赤とんぼ 彼岸の花に身を染めて かわたれ時の 鳥居となりぬ
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たかが髪、たかが便所と言いながらあっちやこっちに分けられていく
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わかるのはいつ いつだってあとでしかわかることなき私の日々よ
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柔肌のあなたに触れて噛み締める 命の輝き 揺れるカーテン
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世に出むと英語習へど MCの鼻のかかった発話が憎し
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灰色の消しカス小さな鳥に見え宙に何羽も続けて飛ばす
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いつ見ても不安定な形だから「心」をうまく書けないでいる
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トランプで最初に抜かれるジョーカーのようにカウントされない私
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若き日を時計の中に埋め込んで 揺られる電車は君を運ばぬ
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大丈夫 迎えはいらない ストリートビューで何度も歩いたからね
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麻雀も 煙草も 酒も 体温も いつか去るなら教えるなよな
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蜘蛛の巣にかかったトンボが消えている 逃げ果せたか苦界の外に
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よそゆきの着る宛てのないワンピース 日々降り積もる澱を濾す布
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