「病欠」と黒板の隅書かれてるクラスメイトの顔忘れつつ
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空重く良かれとおもいしたこともグレーにくすむ秋雨よふれ
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まあこれ個体は意識の器というよりも意識そのものなのではあろう
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タイムマシン乗りたいとは思わない幸せな私にきっと会えない
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カーナビに行方ゆくえゆだねて僕たちは迂回の看板ひとつで惑う
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タダが好きただタダが好きなぜならば自由だからだただるからだ
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痛いほど君の瞳が真剣で ふざけたくないと僕は思った
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さみしさは歌われすぎて腐ってる でも私のは特別だから
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初対面のはずの美容師の陽気さに入学式のような緊張
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すがる杖 目を細めてる彼岸花 浄土に続く道のいろどり
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白月が 川瀬のすすき金色に 染める雅な 趣き咲かせ
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大通り避けつつゲームセンターへ小さな暴風域を抱えて
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灰色の 疲れ引き摺り 歩く手を 枯れた芒が やさしく撫でた
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宝くじ どうせ当たらん そう思う? そろそろ俺が当たると思う?
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日々過ぎて 幼馴染と縁遠し 無情の秋の 下で淋しき
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坂上がり 幼馴染の母校にて 学祭ありて 面影偲ぶ
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さみしさが泡立つ夜をていねいに洗うみたいに秋雨が降る
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QRコード作ってゆくように競ってオセロの勝負はすすむ
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Let It Beではなく俺はLet Me Be 日々惑うけど答えないけど
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よーそこの若えの、自分だけの花咲かせと爆ぜるピストルのたま
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世の中で最も尊い存在のあなたの匂いを永久保存
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十月に真冬の予感ホッカイロ商店街に北風の吹く
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服が欲しいそう思っても手が出ない誰も私を見ていないから
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ツアーT着てYouTube見るけれどかの地におらぬ日常の闇
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文字ひとつ大小だけで違う道検索バーの中の宇宙よ
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「ぬくもりがほしかっただけなんだよね」呟く背中 冷え性の僕
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あの歌が意味の分からないおまじないになってしまった 街は4月、暮れ
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わたくしを操りたくてしかたのない人が「操られるな」と言った
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人数が多ければいいって訳じゃない←言いたかっただけですあああ
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何だかね とっても寂しい 夜がある 涙が自然に こぼれてくるんだ
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