思い出は良いも悪いも青色に詠んでしまうと呆気ない春
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こだわりは今出さなくていいんだよ。 君の美学はどうでもいいよ。
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きっとまた この身を裂かれるのだろう そのかけらから 歌が生まれる
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君は言う「呪いと恋は似ている」と 憂う瞳に映る満月
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衣剥ぎ私がわたしになる時 生せいの香りがわかるのかしら
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多様性、平和、差別、いじめ、とか、解決できずに喜ぶ人々
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ふわふわにくっつき虫を携えて 豊かな尻尾我が顔を撫でる
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回転やゆらぎをうたうあの人も夜には暗くうずくまるのか
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透明なスマホケースにメモ書きの付箋がはさまれ二日ふつかが経過
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君にどう思われるかは知らないが、私、抜き身の刃物でいたい
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ここがいい。知らない場所や流行より。 私にとっては全てがある部屋。
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試験まで日めくりたちが追い立てて切り傷だらけの一月下旬
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血塗れの指でしか触れられぬもの 「愛することをお前に赦す」
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凍てついた自省の夜に息殺すどう足掻いても痛む胃の腑は
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生き返りハンドルネームを変える度だいたいおんなじ人生になる
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無償の愛など持ち得ると思ったか 人間ひとだってこと思い出したか
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制服の胸ポケットにバタフライ使わずにいる善し悪しは別
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君の過去許してあげて温かいココアが冷めてしまわぬうちに
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水平と垂直線の交わりを刺し貫いて都市の西日は
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「大人ってもっと大人だと思ってた」 無邪気に笑う私の写真
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日溜りに黙りこくりて幼子は、木登り、コマより、「君が好きなの」
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うつしよはうつくしき夜、うつされる世界、うつろいて死にゆく余暇
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始まりの象徴あまた身に宿しされども滅びゆくものいと
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ミミズでもオケラでもアメンボだって友達選ぶ権利くらいある
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うららかな春にさそわれ擦りむいた膝が覚えている故郷そだった地
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割れ鍋でごめんね注いでくれるのに底の滴りほども泣けずに
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あんなにも 命をきれいに 燃やせない 冬の花火に 膝を折る君
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ほんのすこしちいさな笑みを見せられる 頭痛がゆるむ寝しなであれば
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山育ち、海を見るたび帰りたい。海から離れて、ここじゃないとこ。
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消してから後悔してる、何もない 私の手元 ならないスマホ
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