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約束の海にひとりで来た 君がくれたミサンガ今ひきちぎる
1
あかねさす 日影零るる 対の
玻璃
(
はり
)
に
朽葉の
(
四十八
)
色の けしきぞ宿らむ
2
君の詠む星のかけらの歌歌がシロナガスクジラにのまれゆく夢
2
海のかけら
(
シーグラス
)
漂ひし夜の月光は見つむる君の追憶になる
2
洗濯とお掃除したの 良い子なの こんな私のままでいたいの
6
パパと呼ぶ前に別れた
吾子
(
あこ
)
いれば
他
(
た
)
の子の「パパ」に我振り返る
8
駆ける子の追いつかれるを期待して喜ぶ悲鳴 夏の公園
2
求めてる、《へびつかい座のホットライン》あるいは《蚊の禿》の果てにある《玉》
3
ハヤブサと飛び去る夏を追いかけて 29戦29敗
4
平成は酷暑にとけて流れ去る 寒い部屋からじっと眺める
3
うたかたの消ゆることのは受け留めて頁をめくる夏の指先
4
漣
(
さざなみ
)
に海のかけらとなりし歌なほもたゆたひ影すきとほる
3
刃となりし硝子の
破片
(
かけら
)
のプリズムに小さき虹あり傷を癒しぬ
2
日もすがら窓辺に座る海の石すべて見透かす無言のままに
4
新聞の音だけが外を知らせ
私
(
せかい
)
が
世界
(
わたし
)
になる午前四時
1
思い出はn番街の提灯に焼べてきたよと強がりを云う
7
調律と意味の密度を炸薬に ことばの地雷源にてジルバを
2
「おはよう」と「おやすみ」までのあれこれが
明日
(
あした
)
も続く日々の喜び
5
起きしなにふわり漂う夢の気配いつかの夜に思いを馳せる
0
指先は優しく触れて響かせる真夜をみたした グラスハープを
1
群盲を象は
舐
(
ねぶ
)
りて踏みつぶす 所詮われらは進化した猿
2
「ああ ここに闘っている人がいる」掴み心が湧き立ち上がる
1
限りなく平和に近い青の中わっと潰れてゆく苺の実
2
批判するときだけ話しかける人
本当
(
ほんと
)
はわたしを嫌いなんでしょ?
2
アルバイト休んでひとり家にいる 今頃みんな頑張ってるはず
3
ここまでは自己満足の五七五
七七七で
(
ごめんじあまり
)
ラッキーセブン
4
青と白緑黄色のパレードで私は真夏の向日葵畑
0
「この街はおまえの死には似合わない」わたしの中に
咎人
(
とがびと
)
がいる
6
両どなり。一軍男子の居眠りを止める気起きぬ 我三軍女子。
1
星のかけら月のかけらは夢のかけら人みな真夜に求め追ひつる
1
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