王様へ 裸です風邪ひきますよ  無礼者 だまれ へックション
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初恋が 実った途端 貝になる 想い溢れて 言葉にならない
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ほお張れば フワッと溶けてく 綿菓子の メルティキッスに やられちゃったね
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この気持ち 君が耐えてたツラさなら この苦しみもまた愛おしい
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えぐられてちぎれそうな藤の木がそれでも葉をつけ花を咲かせて
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神様に手がとどくほどたかく飛べ海と坂ある街のかたすみ
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寝る時間マイナーチェンジを繰り返し我が家のかたを模索してゆく
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伝えたいことが端から溢れていく短歌よお前も生き急ぐのか
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池のもにつつと波たち走れるが何も見えねば風の悪戯
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骨壺の半分ほどに納まりて母はわたしの手の内にある
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戒名などを考える 真夜中に目の覚めて眠れず
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20℃の気温にも残る軒下の雪塊愛し 冬の足あと
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朝起きて 夜に外した 「仮面」付け 普段と変わらぬ 俺を演じる
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「愛してる」 云えなかったな その言葉 ずっと君らを 見守ってるよ
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母子ともに 健やか育て 「宝物」 はやくみたいな ふたりの笑顔
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この心傷きずは 君を去らせた俺の罪 君を泣かせたつぐないの罰
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ひとりだけ超過勤務をなし終えて枕に残ったカルマで寝ます
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もういいと席立つあなたを追いかける 皿に残った少しのシナモン
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シナモンとあなたの言葉で紛れたの 甘すぎたあのアップルパイ
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乾杯だ 今夜は華の 金曜日 歌えや踊れ、と言われましても
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苦いけどあなたのためと飲み込んだ 林檎の種とあたしの言葉
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親の目を盗み初めて聞いてみたMP3が脳まで染みる
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落ちていくあなたとわたし来世でもどうせ食うなら林檎がいいわ
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絵に描いた餅も通らぬこの喉が、乾いて叫び呼吸が止まる
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祈りとは意を宣ることと今日知れり口に出さねば叶わないのか
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「助けて」と「すごいでしょ」とが渦を巻く電子の海に浮くボロ筏
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毒林檎食べたフリして不貞寝する いつになったら起こしてくれる?
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引き絞るウィリアム・テルの指先が果実を目指し涎を垂らす
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パンを消しゴムがわりに食い写した今日の出来事「何もなかった」
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誰かが当たりを偽造した話でいつもドン引く駄菓子屋トーク
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