関ヶ原合戦跡を踏みしめて時空を超えた新入社員
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長浜は秀吉初の城下街 壁も野心も黒く輝き
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ドライバー大垣弁が懐かしく しんどいことを「えらい」と言いて
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岐阜からの大型トラック荷を下ろし伊吹の山の冬を想わむ
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交差点ウィンドウ越し発光し見守っているサンタ・トナカイ
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いつの間にメールアドレス変わったの 貴方の世界に私はいないの
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明るさが見えぬ果てまで遠くなり 歯磨きすらもままならぬまま
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「ねえパパはどこに行ったの?ママ」「庭にいるわよいつか掘ってみなさい」
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二千年後も寝るのが好きな俺 月は赤くこれがシンギュラリティ
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どこにでもいるから辛くてどこにも、いないのが君で、もしくは冬
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知らなくて ほんとに何も ごめんなさい  ご飯作るか それくらいしか
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業務用スマホの着信音が鳴り 深夜対応手当をゲット
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いつぞやの何かの折の適応の別名なのかもしれぬ「障害」
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深夜まで答えを写す課題さえきっといつかは青春になる
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限られた 時間と知りつつ なぜなのか わたしはかれこれ スマホの中で
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月食が 終わった今日の 十六夜いざよいの 月見る人は そう多く無い
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大切なことなので一度しか言いません大切なことは一度だけ言う
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月が欠け たからといって なんだろう 梨も齧れば 消えていくのに
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十二時になりましたのでここからは残念ながらただの蜘蛛です
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学食の帝王然たるカツカレー 誰かあいつに羽根をつけろよ
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餃子には羽根がついてる それを食う 我らの背中 なぜ羽根がない
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ギロチンの中古売ります使えます血は洗剤で落ちませんけど
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請いすぎた愛はどろどろ 唇の垂らす言葉は洗剤の味
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言われたらわかることしか気づけない もしかして君に興味ない?
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誰のため?センチな歌詞に濡れた頬 星降る空に流れた溜め息
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揺らぐ視界定まらないと手を伸ばす 四角い箱とコーヒーカップ
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ぎこちない手編みの帽子くれた冬 もつれた糸は解けたままで
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目が合っただけでトキメキ持てた頃 世界のすべては液晶の中に
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猫を飼う責任持てず きょうもまた 保護猫カフェに寄付をしている
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愛のない 言葉は耳に 届けども 愛ある気持ち なかなか気づかず
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