突然に、甘い香りは好きですか? 甘い香りはその言葉から。
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寂しくない別れだったのに 新快速 いた席見て涙を流す
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あんまりさ 難しいこと考えず 浮かんだことを詠んだらいいよ
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「5」・・・・・ 一人いなくなって初めて 綺麗に切り分けられるケーキよ
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憎しみを溜めたあたしの毒袋、焼き場の窯を汚して燃える。
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たまさかにあくがれ出づる寂しさもふはふはとして空即是色
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官能も禍福も恋もあわせ呑み偏西風と東に消える
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畜生の如く素直に拗ねるとて三十路の夜には可愛げもなし
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身の内を図像化しせる短歌にて頭の中の曼荼羅みせる
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草をはむうさぎの口のせわしさに生きることの大変さを知る
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揉み込んだボディスクラブ山猫軒知らぬふりして喰われようとも
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卓上に秋とふ色と姿にて置かれてゐたる富有柿二つ
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羊雲よきことのある兆しとふよきことなくともそのままにあれ
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越ゆること後回しにする日常性この壁の高さ見上ぐるばかり
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誕生日プレゼントには何がいい?ではマフラーを編みましょうかね
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種蒔けど芽吹くことなく我出でり 十万億土に花咲かす旅
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その人が悩み苦しむ弱さこそ誰かと共に生きさせていく
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マネキンもかなしい夢を見るだろう ともだちふうふこいびとかぞく
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自作したピアスをつけて君に逢う 気付いているかそうでないのか
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僕たちの間 引き裂く分断線 嫉妬・蔑視の顔をしている
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世界史の先端にいて今日もまたでかいキャベツを刻み続ける
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はらはらと帯解くごとく梨の皮剥かれて白きはだへの見ゆる
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青空のかけらあつめてきしごとく青き花咲く花野の夕べ
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赤茶けし皮の鞄をあけたれば昔の人とかさなりてゆく
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ふうはりと星の科白をつぶやけるあはき黄いろの落ち葉の叙情
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かさこそと嘘といつしよに吹きだまる軽きカ行と小さきサ行
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ニンゲンとうまく生きられないことを すべて他人のせいにしておく
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性的に松田翔太を見てしまう 春そのもののように降る雨
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たんたんと死を待つだけの生活が何年続く先が見えない
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夕暮れがあらゆるものを暖かく包み染め上げ眠らせていく
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