戦争も平和も知らぬおさなごが喰らうマシュマロぱくぱく甘く
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一言が君を傷つけちゃうからさ何も語らず寄り添うだけで
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君のこと諦めきれず苦しくてそれでもやはり君が好きです
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遂に出た借の宿りの軒先に黒き素早き汚きヤバき
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常連のあの方今日は載ってない落選したりもするのだろうか
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深夜二時ノイズ混じりの哀愁とだれもしらない映画を見てる
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君のこと明日のことも投げ出した 夢なんてない雨のせいだよ
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栄養はセイコーマートで取っている 道産ふきの煮物が好み
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水槽の魚はきつとみづからの姿を知らずからふるにある
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黄と青の縞模様にて人の目を操りてゐる魚の水泡みなわ
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光りつつかたちを変ふるうたかたをしき魚はいちづに追ひぬ
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白光るうたかたと浮く魚たち硝子のなかの向かふへつづく
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三度目の火星探査を切り上げて渋々はさむ カフェのレシート
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空をゆく鯨の腹は悠々と朝の五分を見おろして行く
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増してゆく紫式部の実の色に小さな花のころ思ふ朝
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もう君と会話を交わすこともなくただ君の姿を見つめてる
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枕から小さな声が聞こえます眠る前にはさよならも言う
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才能がある頭がいいそういった人ではなくてきゅうりなのです
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ジョン・レノン殺された日がバースデーだからください冬の銃弾
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晴れた日にレインコートの女の子慌てて走るフジロック
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会えたから ぜんぶ帳消し ただきみに 会えたから 理由はそれだけ
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僕たちに仕事はいくらでもあるよ夕方に波を数えるだとか
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「月を観よ、そこにおまえの影がある」「秋だからってひとをころすな」
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「ゆうひすごーい! ママゆうひすごーい!」「本当ね」「すごいよママー!」「ええ凄いわね」
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雲のない戦禍の中を兵士行く断頭台に君の首
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くれなゐの 色うち消えて うつりゆく もみぢの心 君や知りけむ
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メルカリで三百円で売られてたきみの気持ちを買い戻せずに
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こものメルクマアルは溶暗し企みごとは月影のした
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汀にはさよならさえも絶え果ててデラシネたちは煤煙のさき
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目玉焼きナイフの先に黄身あふれフォーク右手に握り直した
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